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交番所
「交番所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
交番所の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
りがないものだから――京吉が陽子の傍へ行こうとした途端、 「おい、君!」 と、
交番所の巡査に呼び停められた。 「何ですかね……?」 「一寸来たまえ! お前も来....
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
一種。 戟《ほこ》――鉞《まさかり》に似た昔の武器であるが、当時ロシアの巡査の
交番所では、これを傍らに立てかけて一種の標章としていたのである。....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
と心得ているらしく、摺れ合い摺れちがって往来のまん中を悠々と散歩しているが、角の
交番所を守っている巡査もその交通妨害を咎めないらしい。土地の人たちも決して彼らを....
「あめんちあ」より 著者:富ノ沢麟太郎
十字架のような岐路の一方に、ひとり夜の心臓のように疼《うず》いている。その標的は
交番所である。彼は急に足早に歩調を刻んだ。この時突然、彼には二間とは間隔のない路....
「大阪発見」より 著者:織田作之助
はその安い豪遊をいい触らすのである。 「月ヶ瀬」は戎橋の停留所から難波へ行く道の
交番所の隣にあるしるこ屋で、もとは大阪の御寮人さん達の息抜き場所であったが、いま....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
役目が済んで、おのおのの塒《ねぐら》へ帰る順序ですから、ここは会所であると共に、
交番所であり、同時に東は東の動静を、西は西の持分の動静を、おのおの報告し合って、....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
のはなく、往来はパッタリ止ってしまいました。夜も段々と更け、以前のお竹蔵前で当今
交番所のある所から割下水の方へ掛りますと、女の金切声で、「アレー人殺し/\」とい....
「今戸狐」より 著者:小山内薫
物を着た男が、一人立っていて盛に笑っているのだ、おかしな奴だと思って不図見ると、
交番所の前に立っていた巡査だ、巡査は笑いながら「一体今何をしていたのか」と訊くか....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
が、さてその新築の劇場のありかが判らないので、わたしはまごついた。よんどころなく
交番所の巡査に訊くことになったが、日本橋のまん中で劇場のありかを訊くのはあまり田....
「島原の夢」より 著者:岡本綺堂
と心得ているらしく、すれ合い摺れちがって往来のまん中を悠々と散歩しているが、角の
交番所を守っている巡査もその交通妨害を咎めないらしい。土地の人たちも決して彼らを....
「向嶋」より 著者:永井荷風
の笑ひ声も絶《たえ》る頃、月はまだ出でぬに歩む路明らかならず、白髭あたり森影黒く
交番所の燈のちらつくも静なるおもむきを添ふる折ふし五位鷺《ごいさぎ》などの鳴きた....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
川を渡る。長橋を堺として、都会の屋根。新宮市は、もう、宵の灯、賑わし。 橋畔の
交番所前に、朝日の社旗を振って待つ人影がある。M通信局長だった。同車して、熊野速....