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交通費
「交通費〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
交通費の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「党生活者」より 著者:小林多喜二
分迷った。同じ地区だと可成り危険性がある。然《しか》し他の地区ということになれば
交通費の関係上困った。こんな場合は勿論《もちろん》他の地区の方が良かったが、然し....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
、筆記試験は施行する。入団二箇月を経てより、准団員として毎月化粧料三十円ならびに
交通費を支給する。准団員の最長期間は二箇年限とし、以後は正団員として全団員と同等....
「小祝の一家」より 著者:宮本百合子
燈の球のない台所へ入り、湯たんぽをつくってあてがっているのは、炭を買う金さえ彼の
交通費にいるからのことである。―― 長いこと黙っていた後、勉は中指に赤インクの....
「乳房」より 著者:宮本百合子
。託児所の逼迫《ひっぱく》した自主的やりくりの生活の中で、ひろ子は本を借りに歩く
交通費さえないことがあった。少し金があるときは時間の余裕がなく、両方そろった時を....
「プロレタリア婦人作家と文化活動の問題」より 著者:宮本百合子
ルズル低下し、昨年頃は婦人工場労働者の平均賃銀は八十四銭まで落ちた。弁当もちで、
交通費をもって、この有様だ。企業者は、この話にならない賃銀さえスラリとは渡さない....
「幸福のために」より 著者:宮本百合子
。勤めにゆくため、学校へゆくため、是非乗らなければならない省線、都電、バスなど、
交通費もみんな三倍になりました。今の配給だけで、やって行ける家庭が一軒でもあるで....
「婦人大会にお集りの皆様へ」より 著者:宮本百合子
ば、千八百円ベースあるいは二千四百円ベースの家計の中からです。通勤・通学のための
交通費のおそろしいはね上り、またこの夏から一段とひどくなった諸物価のはねあがり。....
「現実の必要」より 著者:宮本百合子
。 モラトリアムで学生の学費一五〇円と制限されたが、この食糧難、住宅難、まして
交通費の膨脹で、学生は帳面一冊買いにくいこととなった。文化の最も大切な資材である....
「青年の生きる道」より 著者:宮本百合子
ム公表の一日前に五十銭札で隠しておく二千円、三千円という金を持ってはいなかった。
交通費は三倍になっている。米の値も味噌、醤油の値も三倍になっている。三十前の青年....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
丁を右に入った右の角のところで、小さい家です。でも、夕刻晴天だと富士が見えます。
交通費がやすくすむので何より助かります。バスで裁判所や市ヶ谷へゆけるの。 木星....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
場へ今つとめて四十五円とっています。その中から、下宿料十五円、家へいくらか送り、
交通費、きるものなどすべてまかって、十円やっとのこる。この十円のために夜勤ですっ....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
すか。」 「はア。」 「稽古を始めるのにも、いろいろお金がいるでしょうな。」 「
交通費なんか、自弁なんですの。でも、貸席の費用とかお弁当とかそれに宣伝もしなけれ....
「独房」より 著者:小林多喜二
い帳面を持ってきて、刑務所で預かる所持金の受取りをさせられた。捕かまる時、オレは
交通費として現金を十円ほど持っていた。俺たちのように運動をしているものは、命と同....
「光は影を」より 著者:岸田国士
というのだから、その日は、半日、その別宅で待機しているという条件だ。それで一ヵ月
交通費は別として、一万五千、ひと部屋自由に使わせて、昼食はむろん出すというのだが....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
いのだけれども、給料は六千円未満ということだから、荻窪から川崎まで通うとすると、
交通費その他をひけば、サト子ひとりが食べるのがせいぜい。とても、お祖父さんを引取....