交響楽[語句情報] »
交響楽
「交響楽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
交響楽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
から、余計勘定が嵩むようなことになるやろと、丁度鳴り出したベエートーヴェンの第五
交響楽を深刻な顔で聴いた。なにか気持が落ち着かなかったが、しかしそこを出ても金策....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
芸術鑑賞の極意をよく説明している。傑作というものはわれわれの心琴にかなでる一種の
交響楽である。真の芸術は伯牙であり、われわれは竜門の琴である。美の霊手に触れる時....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
いニイチェがどうしたんだ?」今度は検事が驚いてしまった。
「いや、シュトラウスの
交響楽詩でもないのさ。それが、陰陽教の呪法綱領なんだよ。神格よりうけたる光は、そ....
「千早館の迷路」より 著者:海野十三
したか」 「ああ、そうです。あの曲は田川の作曲したものですわ。“銃刑場の壁の後の
交響楽”」 「カズ子さん、入りましょう。その穴の中へ入るのです」 帆村は春部を....
「不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
百幾千という爆弾がばら撒かれた。 と、忽ち起る爆発音と大水柱と大きなうねりとの
交響楽! 巨艦の姿は、水柱の蔭に全く見えなくなってしまった。 こんどこそは沈ん....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
悲鳴! 鬨の声! ドンドンドンと破壊の音! それが一つに集まって、ゴーッと巨大な
交響楽となる。 一瞬の間に霊岸島は、修羅の巷と一変した。 と、その時、鮫島大....
「血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
くのところ風馬牛であった。 とは云え関白秀次の態度――すなわち兇暴と荒淫との、
交響楽じみた態度については、苦々しく思っていた。 「今にあの卿は亡ぼされるであろ....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
の子を散らす火事の焔! 宿は人の波、馬の流れ、水の洗礼、死の饗宴、声と音との、
交響楽! その間を縫って全くの狂乱――血を見て狂った悪鬼の本性、陣十郎が走って....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
んなお天道様の子です……… 小鳥達の囀る声が、急にその数を増して行き、あたかも「
交響楽」のように交錯する。緑色の耀光が神秘なまでに充ち溢れて行く。…………突然、....
「明暗」より 著者:岡本かの子
も夫の憂いの種になろうとは思わなかった。 智子はふとアンドレ・ジイド作の田園の
交響楽の一節を思い出した。 盲目少女ジェルトリウド「でも白、白は何に似ているかあ....
「イプセン百年祭講演」より 著者:久保栄
目を「ペエル・ギュント」と搗き変え、これを三演出家の共同演出のもとに、近衛氏の新
交響楽団と岩村舞踊研究所の援助を得て、演劇と音楽と舞踊との綜合的なブリリアントな....
「四つの都」より 著者:織田作之助
へはいる。ビッコの気味。 鶴三も、黙って「お帰り」は眼で言っている。 音楽(第五
交響楽)がやんだので、鶴三は、はじめて声を掛ける。 鶴三「新坊、怪我したんじゃね....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
―今なお一度もなされた事がないと信じる一解釈をここに表明しておきたい。――『田園
交響楽』の第二楽章の終りに、オーケストラが夜啼鶯と郭公と鶉の啼き声を聴かせること....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
あった。ルストとカルル・フィリップ・エマヌエル・バッハと、そしてマンハイム楽派の
交響楽作者たちとが作曲上ベートーヴェンの真の先駆者であった。――フーゴー・リーマ....
「数の子は音を食うもの」より 著者:北大路魯山人
ているものである。そういう意味において、数の子も口中に魚卵の弾丸のように炸裂する
交響楽によって、数の子の真味を発揮しているのである。それゆえ、歯のわるい人には、....