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享ける
「享ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
享けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
たとせるには訳ある事でこの物|毎《つね》に師子や虎を追蹤《つけまわ》りその残食を
享けるのだ、バルフォールの『印度事彙』に夜分コレバルー咆うる所必ず虎あり、コレバ....
「河明り」より 著者:岡本かの子
類であれ、人間の生きる姿の単一に近いものであるように考えさせられた。始終自然から
享ける直接の豊饒な直観に浸れもしよう。 「二万円の護謨園をお買いになれば、年々そ....
「旅愁」より 著者:横光利一
うな気持ちになり、いまだに成長した覚えのないのが不思議だったが、それが父から酌を
享けると、突然に身丈の伸びた感じで気羞しく盃を出すのだった。いつもは父とあまり話....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
とに気がつくとき、われらはいまさらのごとく生命を痛感せずにはいられない。われらの
享ける一個の小さき ego のなかに封じられたる無限の神秘を思わずにはいられない....
「今日の女流作家と時代との交渉を論ず」より 著者:宮本百合子
代に一人の人間が生きているということになるのです。即ちその人は色々時代的な感興を
享けるのでなくて、時代の中にあるものを吸って真の時代に混和させ、而して自分を作り....
「女子の独立自営」より 著者:与謝野晶子
を発揮し得る事を示すに到りますのはかえって女子の進歩であって、これがために人類の
享ける幸福は単に母として妻としてのみの時よりも非常に倍加する訳でしょう。女子の結....
「犬」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
時もただ独り居る時だけであった。人に摩られる時はまだ何だか苦痛を覚える。何か己の
享けるはずでない事を
享けるというような心持であった。クサカはまだ人に諂う事を知ら....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
深いものだ。 すべての人間はその感受性と渇求とに堪える限りの美的、倫理的教養を
享ける権利があるのだ。共同体くにはそれを与える義務を負わねばならぬ。 私が入学....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
隙間を、表に出るばあいにはそれを動かすことにして、石や木でふさいだので、わたしの
享ける光は、豚小屋を通してくるだけだったが、わたしには十分だった。 「自分の住ま....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
―解いた人の運命が、俄然とばかり一変し、栄耀栄華を尽くすことが出来、至極の歓楽を
享けることが出来る! (どうでもあの女を手に入れなければ!) だが彼女はどこに....
「日記」より 著者:宮本百合子
とか不可知とか云う言葉は世にその跡を絶って、人は正直になり率直になり、且つ幸福を
享けるのである」と断言して居る処。 いかに、時代と云うものが天才の方向を(力そ....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
謝することを知ってきました。 私ごときものがこうして何不自由なく、(私はそれを
享ける値はない気がします。ましてそれを要求する権利などはどこにもない気がします)....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
れると、
顧みて問います、楽を誰か
ヘレネ
共に
享けると。
ファウスト
そこで心の見る所は、過去未来の縁を絶ち、
現在ば....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
苦痛を加えるのを修業と心得る修道派の一派であります。そうすると来世は幸福ばかりを
享けるところの天界に生れると考えているのであります。 釈尊のこれに対する非難は....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
って、大人の体験に訓えられよう。要は、生命の問題だ。人と生れたという意義を、どう
享けるべきか。人間の世。おもしろいと観るべきか。憂しと観るべきか。また、くだらぬ....