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享楽的
「享楽的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
享楽的の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
て収容される前夜、青酸加里で自殺した遠衛公爵の三男坊が憂さばらしか、それとも元来
享楽的なのか、時どき踊りに来るほか、数名の華族のいわゆる若様が顔を見せて、ある際....
「青木の出京」より 著者:菊池寛
は極度に豊富な蔵書を、売り払ってしまった。彼には、他人の家に宿食してからも、その
享楽的な生活を更改することが苦痛らしく見えた。彼は蔵書を売り払った金で、やっぱり....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
えるほど快活な男を発揮した。彼はこんな山の中に惜しいと言われるほどの美貌で、その
享楽的な気質は造り酒屋の手伝いなぞにはあまり向かなかった。 「さあ。きょうは、う....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
ナザンスキーがロマショーフに死を止むるときに語ったごとき生の愛着はけっして単なる
享楽的気分より出で来るものとは思えない。人間の真の悲哀と精神的苦痛とは享楽できる....
「辞書」より 著者:折口信夫
らずしも成績をあげるということにならない。ほんとうはむつかしいことだ。そのかわり
享楽的になる。侮辱されても仕方のないような研究を出している。外国語を十分に知り、....
「学生と生活」より 著者:倉田百三
してすでに結婚後の壮年期に達したるものの恋愛論は、もはや恋愛とは呼べない情事的、
享楽的漁色的材料から帰納されたものが多いのであって、青年学生の恋愛観にとっては眉....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
のであった。しかしなおよく聞いて見ると、この夫妻は商売に熱心ではあったが、だいぶ
享楽的であった。朝も昼も忙しいが、その間にも肴を見つくろっておくことは忘れず、日....
「大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
には盛装の女性が明るい得意な気分をのせて走らせている。行てには華かな芝居の色彩と
享楽的な濃い幻想。これこそ華かな都会の情調の句である。 (ホ)三井銀行の扉の秋風....
「桜花を詠める句」より 著者:杉田久女
き夕餉かな 八千女 窓下に座りくづれて花疲れ 喜美子 花疲れなどいう題は、
享楽的な元禄の女性にありそうでいて案外近代女流のものらしい。ひねもすの刺激と歓楽....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
行的権威がないことが多い。あなた方はそれを気をつけねばいけぬと思います。感情ほど
享楽的になりがちなものはない。ありがたいと思う感情はすぐにその感情を享楽する気持....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
する。だが、慧鶴はここでも宗教に対する疑いに輪をかける事蹟に出会って、彼は全くの
享楽的なニヒリストになった。 彼はある日、与えられた詩文の題に就いて調べる必要....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
したところで、「外国の牧歌が素朴で快活だ、日本のは消極的でお座敷趣味だ。淫蕩だ。
享楽的で無智だ。」なぞと、すぐに日本を打ち消してしまいたがる人があるが、それは記....
「学生の技能と勤労大衆」より 著者:戸坂潤
そういう意味から現代の学生は学生らしくなくなったとか、勉強しなくなったとか、或は
享楽的になっていると云うことさえの事実(之は何と云っても事実だろう)の責任を、こ....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
た神楽坂が安全に残ったので、あらゆる方面の人が殺到的に押し寄せて来て、商業的にも
享楽的にも、神楽坂はさながら東京の一大中心地となったかの如き観があった。そして夜....