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京焼
「京焼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
京焼の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
ら眼を外《はず》して、畳の上に置いてある埋木《うもれぎ》の茶托を眺《なが》める。
京焼の染付茶碗《そめつけぢゃわん》はさっきから膝頭《ひざがしら》に載《の》ってい....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
い》あってちょっと失敬して茶の間へ廻る。
茶の間では細君がくすくす笑いながら、
京焼の安茶碗に番茶を浪々《なみなみ》と注《つ》いで、アンチモニーの茶托《ちゃたく....
「野分」より 著者:夏目漱石
けていた小女郎《こじょろう》が時計の音と共に立ち上がった。丸テーブルの上には安い
京焼《きょうやき》の花活《はないけ》に、浅ましく水仙を突きさして、葉の先が黄ばん....
「旧主人」より 著者:島崎藤村
《さしず》で、葡萄酒を胡燵《おこた》の側に運びまして、玻璃盞《コップ》がわりには
京焼の茶呑|茶椀《ぢゃわん》を上げました。静な上に暖で、それは欺《だま》されたよ....
「蒲団」より 著者:田山花袋
解らんのだから……それよりも酌でもしたらどうだ」 温順な細君は徳利を取上げて、
京焼の盃に波々と注ぐ。 時雄は頻りに酒を呷った。酒でなければこの鬱を遣るに堪え....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
さえ惜しんだのは、余程身に沁みた不気味さに違いない。 女房は行きがけに、安手な
京焼の赤湯呑を引攫うと、ごぼごぼと、仰向くまで更めて嗽をしたが、俥で来たのなどは....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
減のところへ、 「お待遠さま」 そこへ、山の如く甘いもの、フカシたての薩摩芋、
京焼、蒸羊羹《むしようかん》、七色菓子、きんつば、今川焼、ぼったら等々の数を尽し....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
ています、串戯じゃない。 第一、この角の黒渋赤渋の合羽屋が、雑貨店にかわって、
京焼の糶売とは、何事です。さあ二貫、二貫、一貫五百は何事です。」 とそこに人立....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
たの老母の息子らしかった。
息子といっても、もう四十七、八かとも見える人物で、
京焼の殿人形をそのまま大きくしたような色の白さと、豊かな艶のいい肉体を、頬にも、....