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「京言葉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

京言葉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:島崎藤村
稽古して来たんですもの」とお絹はすこし下を向いた。 「延ちゃんは、もうすっかり東京言葉だ」とお雪も娘達の発達に驚くという眼付をした。 群集は町を隔てて潮のよう....
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
いる。見送りの人もまばら。ホームを涼しい風が吹いている。流暢《りゅうちょう》な東京言葉にもお別れ。横浜を過ぎる頃から車内がひっそりして来る。山北の鮎《あゆ》寿司....
」より 著者:太宰治
歩いている。 「ツネちゃんじゃないか。」 その細君は、津軽|訛りの無い純粋の東京言葉を遣っていた。酔いのせいもあって、私は奇妙な錯覚を起したのである。ツネちゃ....
惜別」より 著者:太宰治
訛りは強かったが、私の田舎の言葉ときたら、それどころでは無く、また、私も無理に東京言葉を使おうとしたら、使えないわけはないのだが、どうせ田舎出だという事を知られ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
粧のままで紅《べに》をさした唇、鉄漿《かね》をつけた歯並《はなみ》の間から洩るる京言葉の優しさ、年の頃はお松より二つも上か知らん、お松とは姉妹《きょうだい》のよ....
祖母のために」より 著者:宮本百合子
あはあ、安積《あさか》へでも行こうと思うごんだ」 (祖母は米沢生れで、死ぬまで東京言葉が自由に使えなかった。) 余り思い入った調子なので、皆は不安になって祖母....
一九二七年春より」より 著者:宮本百合子
に対する同伴者となるようなもの └ 津田敏子と娘のようなの 本当の母娘関係少し。京言葉 「なあ、へ ×はん」 「あんたはん、お見いしまへんのか」 「あほくさ!」....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
た。 これらの子供は島原の太夫の卵と見るべきものだから、その言葉も優にやさしい京言葉でなければならないが、ここは新座敷のことだから、新しい形式の、ほぼ標準語で....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
軍慶喜)のお供《とも》をしたことや、京女のこと――京女の体つきまでにせて、ヘンな京言葉をつかった。 「うつるか。」 ってやがるから、 「かさか。」 って聞いたら....
つぼみ」より 著者:宮本百合子
びよ」 すてるように斯う云って二人は又若かった時のはなしをして居る。なめらかな京言葉とパキパキの江戸弁が快くもつれてひびいて来る。御仙さんは御母さんのうしろで....
千世子(二)」より 著者:宮本百合子
都へ行ってからの事ばっかりを云って居る京子は、鴈次郎の紙治が見られるとか、純粋な京言葉を習って来るとか、いつもにないはでな口調で話した。 「京都に貴方の体はつ....
田舎がえり」より 著者:林芙美子
ていた。 堤を降りて、道を探しながら電車道の方へ行くと、洋服を着た子供たちが、京言葉で泥あそびをしていた。 電車の駅近くへ出ると、小料理屋の間に挟《はさ》ま....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
岡田村の民俗学者、白井さんや波浮の坂口校長先生の説では、大島はクゲの流人が多く京言葉が多く残っているという。村の長をスグリといったそうだ。氏族制度時代の古い言....
旅への誘い」より 著者:織田作之助
あった。 「お姉さま、只今、お会いしたかったわ。」 三年の間に道子はすっかり東京言葉になっていた。喜美子はうれしさに胸が温まって、暫らく口も利けず、じっと妹の....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
また、何がゆえに、浅学不通まで打ちまけて、こんな前書をするかといえば、実はその京言葉である。すなわち、読みはじめに記した「あんた、いやはりますか。」――は、ど....