人の上[語句情報] » 人の上

「人の上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

人の上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
弟も口をきかない。しんとした夜は、ただ馬蹄《ばてい》の響きにこだまをかえして、二人の上の空には涼しい天の川がかかっている。 八 羅生門《らし....
」より 著者:芥川竜之介
かかえん》の槐《えんじゅ》や柳は、午過ぎの微風に戦《そよ》ぎながら、この平和な二人の上へ、日の光と影とをふり撒いている。文鳥《ぶんちょう》はほとんど囀《さえず》....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
う。内地へ帰って暮らすことにしよう。」 五分、十分、二十分、――時はこう言う二人の上に遅い歩みを運んで行った。常子は「順天時報《じゅんてんじほう》」の記者にこ....
或る女」より 著者:有島武郎
ましたの、船にはお困りですか」 といった。さすがに世慣れて才走ったその言葉は、人の上に立ちつけた重みを見せた。葉子はにこやかに黙ってうなずきながら、位を一段落....
星座」より 著者:有島武郎
らあい男を、自分の心の中で情人に仕立てあげてしまって、その死んだのを誠に自分の恋人の上のことのように痛み悲しんでいる……そうだなと柿江は直感すると、嫉妬《しっと....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
間であろうと)との知識に基する正しい自己の立場の決定である。だから、道徳は一人の人の上にも、二人以上の人々の間にも当然成り立たねばならぬものだ。但し両方の場合に....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
ようで、不気味に暑い中に冷りとする。 気候はとにかく、八畳の表座敷へ、人数が十人の上であるから、縁の障子は通し四枚とも宵の内から明放したが、夜桜、仁和加の時と....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
の如しだが、自分もまた御両所以上にひどい姿である。日本の現状をまざまざと二人の友人の上に見た。 梅蘭荘という中華料理屋が、ソバ屋のあとに出来ていた。目を見はら....
恐竜島」より 著者:海野十三
にむかった。 月の光を受けて、ぽっかりあいた大きな穴は、気味悪《きみわる》く三人の上にのしかかって来ている。 この穴の中には恐竜がいるのだ。その恐竜の巣の中....
火星兵団」より 著者:海野十三
人の人間しか生きのこらないとすれば、一体、何と言っていいかわからないが、のこる三人の上に、たいへんな重荷を背負うことになる。そうではないか。生きているうちに、こ....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
いる東洋人カラモを見せてやったらどんな顔をするであろうか。リット少将は、さすがに人の上にたつだけあって、英国人らしい深い注意の持主だった。 このため、司令塔の....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
石の段の続きがある。 ――お妻とお民と京千代と、いずれも養女で、小浜屋の芸妓三人の上に、おおあねえ、すなわち、主婦を、お来といった――(その夜、隣から襖を叩い....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
はふたりとも知っています。それは心配の妖女と、幸福の女神の召使でした。ふたりは死人の上にのぞきこみました。 心配がいいました。「ごらん、おまえさんのうわおいぐ....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
して、オランダ、スイス、デンマークは新教の国なるはいかん。もし、さらにこれを一個人の上に考うるときは、ヤソ教を信ずる人は終身神の愛護を受け、信ぜざる人は神罰を受....
罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
右に番人のように立ち留まった。 次に出たのが本人である。 一同の視線がこの一人の上に集まった。 もしそこへ出たのが、当り前の人間でなくて、昔話にあるような....