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人の親
「人の親〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
人の親の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
母とに与えた不思議な印象に変りはない。
こうして若い夫婦はつぎつぎにお前たち三
人の親となった。
私はその頃心の中に色々な問題をあり余る程《ほど》持っていた。....
「星座」より 著者:有島武郎
言葉にも動作にも現わした。それは清逸の心を暗くした。
貧しい気づまりな食卓を四
人の親子は囲んだ。父の前には見なれた徳利と、塩辛《しおから》のはいった蓋物《ふた....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ってあります。目の離せません容態ですから。」 「何から何まで難有う存じます……一
人の親を……済みませんですねえ。」 とその手巾が目に障る。 「済まないのは私こ....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
の晩やって来た。もとより親類ではあるし、親しい間柄だからまず酒という事になる。主
人の親父とは頃合いの飲み相手だ、薊は二つめにさされた杯を抑え、 「時に今日上がっ....
「蠅男」より 著者:海野十三
すこし気を取直したように見えたが、こんどは帆村の胸にすがりつき、 「――たった一
人の親の大事だすやないか。私は心配やよって、さっきから入口の前をひとりで見張って....
「春昼」より 著者:泉鏡花
替えこ、ころりころり差違えるごとに、ほい、ほい、と言う勇ましい懸声で。おまけに一
人の親仁なぞは、媽々衆が行水の間、引渡されたものと見えて、小児を一人|胡坐の上へ....
「一九五〇年の殺人」より 著者:海野十三
彼は机上のマイクロフォンを取りあげて、レッドとヤーロの逮捕を電命した。 二
人の親分が本庁に到着したのは五分の後だった。 「二人揃ったネ。揃ったら、そのまま....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
うで、行方の知れないのは、分らないそうでした。 事が面倒になりましてね、その夫
人の親里から、叔母の家へ使が来て、娘御は何も唄なんか御存じないそうで、ええ、世間....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
の前です……お察し下さい、これはほとんど私が生命を忘れ、世間を忘れ、甚しきは一|
人の親をも忘れるまで、寝食を廃しまして、熟慮反省を重ねた上の決意なのです。はじめ....
「元禄時代小説第一巻「本朝二十不孝」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:井原西鶴
込む人もなくて立って居た所が亀丸はとうとう病気になって二十三で死んでしまった。二
人の親も世間に見せるかおがないと云って家の中に許り入って居たけれ共とうとう悔死、....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
で、偽毛唐でさえも物の数にされないのだから、いわんや阿Qにおいてをやだ。だから番
人の親爺も彼のために宣伝するはずもないのに、未荘の人達がどうして知っていたのだろ....
「仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
。右の榊の前には、各大臣、議長、将官などが眩ゆく整列し、左の榊の前には例の大熊老
人の親戚の一団が、今日の光栄に得意然たる面持で、目白押しに並んでいた。 棺の正....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
るどころか、むしろ気楽そうに見えていた。が、その頃の――恐らくは今でも――惣ての
人の親は、家に資産があると否とを問わず一家の運命希望を我が子の立身出世に繋いでる....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
を証す。その後、両人同車して新婦の父母の家に至りて朝餐の席につく。その席には、両
人の親戚、朋友、そのほか寺院の住職も列するなり。食事は冷肉のみを用い、美菓をその....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
仕様がなかった――実は少しも人間嫌いでは無い僕が!――その後僕が変化したのは、一
人の親愛な、可愛らしい少女のした仕事なのだ。その人は僕を愛しているし、僕もその人....