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人も無げ
「人も無げ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
人も無げの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「八十八夜」より 著者:太宰治
》かに明るく、線の起伏も、こだわらずゆったり流れて、人生的にやさしく、富士山の、
人も無げなる秀抜《しゅうばつ》と較べて、相まさること数倍である、と笠井さんは考え....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
るのかないのか判らないが、復一の金魚に対する考えが全然変って行き、ねろりとして、
人も無げに、無限をぱくぱく食べて、ふんわり見えて、どこへでも生の重点を都合よくす....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
、談じていることの内容は判らなかった。しかし彼らは昂奮《こうふん》していた。その
人も無げな騒々しいひびきのなかで、一つの固有名詞が阿賀妻の足をがくんと停めた。
....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
て、何もごまのはいには限るまい。もっとも若い内は遣ったかも知れんてな。ははは、」
人も無げに笑う手から、引手繰るように切符を取られて、はっと駅夫の顔を見て、きょと....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
、一斗|樽の三ツ目入道、裸の小児と一所になって、さす手の扇、ひく手の手拭、揃って
人も無げに踊出した頃は、俄雨を運ぶ機関車のごとき黒雲が、音もしないで、浮世の破め....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
が悠々として漕ぎ去りつつ唄う船唄が流れて来る。 流れ浮き草……風吹くままに……
人も無げなるこの振舞いに地団駄踏んだ警官連、ふと見ると隣りの庭に一艘の舟が繋がれ....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
や言語や動作が、日本内地のダンサーの夫らと比べて、自暴自棄的であり、荒んで居り、
人も無げであることは争われなかった。ホールの容積も小さく設備も大して完備してはい....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、村の者が、乱暴者と、嫌えば嫌うほど、この野放しな自然児は、いよいよ逞しく伸び、
人も無げに振舞い、郷土の山野をわがもの顔にしただけではあき足らないで、大それた夢....