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人を人とも思わない
「人を人とも思わない〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
人を人とも思わないの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青木の出京」より 著者:菊池寛
が上京して、そのまま滞在するようになるのを、何よりも怖れていた。非常識に大胆で、
人を人とも思わないような性情と、ある種の道徳感に欠陥のある青木は、雄吉に対して、....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
分よく読んだものだよ」といって彼は、波田と並んで木のベンチへ腰をおろした。彼は、
人を人とも思わないような、ブッキラ棒な男であった。そして必要以上は口をきくことが....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
がった白衣《びゃくえ》の異相を眼にしたときには、傲岸奸略《ごうがんかんりゃく》、
人を人とも思わない丹波も、ア、ア、アと言ったきり、咽喉がひきつりました。 大髻....
「口笛を吹く武士」より 著者:林不忘
光るのがまじっているのを見つけると、一角は、この、放蕩無頼《ほうとうぶらい》で、
人を人とも思わない変りものの兄が、何となく、ちょっと可哀そうに思われて来た。 ....
「つぼみ」より 著者:宮本百合子
って笑えやしない。 頭の半分までが御しょうばんをしていたくなって来た。弟があの
人を人とも思わない様な図々しい鼻をびくつかせて私の顔を見ちゃあ笑って行く。ポヤッ....
「魔像」より 著者:林不忘
殿様の前に、傲慢《ごうまん》――と言えば傲慢な態度なのだが、長庵はこんなふうに、
人を人とも思わないところの見える男なのだ。が、そのかわり、言葉だけは、ばか丁寧《....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
に消えた。それと同時に、なんとも知れない恐怖が氷のように市松の惣身を冷たくした。
人を人とも思わない大胆不敵の彼も、もうここにはどうしても居たたまれないような臆病....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
を胸先へ呼びおこした。――梅軒がしきりとすすめたからではないかと思う。だが、あの
人を人とも思わない梅軒が急に酒を買い足したり、あの無愛想な女房がやさしくなったり....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
に素朴には見えるが、気位といいましょうか、どこかに王侯のような尊大な風があって、
人を人とも思わないところもある」
「ウウム……なるほど」
「ですから、この作者は....