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人並み
「人並み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
人並みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
ら、こういう昔語りを聞こうとは夢にも思っていなかった。いや、むしろ、この老人に、
人並みの感情があるかどうか、それさえ疑わしいと、思っていた。懸想した猪熊《いのく....
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
ま》だにありありと口もとに残酷な微笑を浮べた彼の友だちを覚えている。彼の友だちは
人並み以上に語学の才能を具《そな》えていた。しかし又確かに
人並み以上に鋭い犬歯を....
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
かれているのかも知れない。妻は名はダアワといい、近隣でも美人と評されている。背は
人並みよりは高いくらいであろう。顔はダアワという名前の通り、(ダアワは月の意味で....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
った。お鈴はお芳が女中だった時から、彼女を悪人と思ったことはなかった。いや、寧ろ
人並みよりも内気な女と思っていた。が、東京の或る場末に肴屋《さかなや》をしている....
「河童」より 著者:芥川竜之介
う。出ていけ! この悪党めが!」
一
三年|前《まえ》の夏のことです。僕は
人並みにリュック・サックを背負い、あの上高地《かみこうち》の温泉|宿《やど》から....
「或る女」より 著者:有島武郎
し物惰《ものたる》げに大きく見開いて葉子の顔をつれづれと見やった。初対面の時には
人並みはずれて遠慮がちだったくせに、少し慣れて来ると人を見徹《みとお》そうとする....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
いなかった。何事も独りで噛《か》みしめてみる私の性質として、表面《うわべ》には十
人並みな生活を生活していながら、私の心はややともすると突き上げて来る不安にいらい....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
撲というものは何か僕にはばくぜんとした反感に近いものを与えやすかった。それは僕が
人並みよりも体が弱かったためかもしれない。また平生見かける相撲が――髪を藁束ねに....
「親子」より 著者:有島武郎
てきた。 「俺しは元来金のことにかけては不得手至極なほうで、人一倍に苦心をせにゃ
人並みの考えが浮かんで来ん。お前たちから見たら、この年をしながら金のことばかり考....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
それに少しでも打たれなかったか。そしてそこに苦い味を感じなかったか。若しあなたに
人並みの心があるなら、私のこの問に応じて否と答えるの外はあるまい。だから私はいう....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
いなどと言わない。 省作は今年十九だ。年の割合には気は若いけれど、からだはもう
人並み以上である。弱音を吹いて見たところで、いたずらに嘲笑を買うまでで、だれあっ....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
どよりか身上もずっとよいし、それで旧家ではあるし、おつねさんだって、あのとおり十
人並み以上な娘じゃないか。女親が少しむずかしやだという評判だけど、そのむずかしい....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
と、死んでから後も容易に私の魂から離れなかったのでございます。私がどうやらその後
人並みの修行ができて神心が湧いてまいりましたのは、偏に神様のおさとしと、それから....
「恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
的に見えしなるべし。僕は恒藤の親友なりしかど、到底彼の如くに几帳面なる事能わず、
人並みに寝坊をし、
人並みに夜更かしをし、凡庸に日を送るを常としたり。 恒藤は又....
「錦紗」より 著者:犬田卯
ているのかも知れなかった。 それにしても、どこに自分は欠陥があるのだったろう。
人並みに物も考え、他人のいうことも分らなくはないつもりだった。非常な醜女であると....