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人中
「人中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
人中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
六畳と、二間一しょにした、うす暗い座敷には、もう大分、客の数が見えていた。僕は、
人中《ひとなか》へ出る時は、大抵、洋服を着てゆく。袴《はかま》だと、拘泥《こうで....
「或る女」より 著者:有島武郎
ぎのほかになんとなく忙《せわ》しくなって来た。事務員や水夫たちが、物せわしそうに
人中を縫うてあちこちする間に、手を取り合わんばかりに近よって別れを惜しむ人々の群....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
まして見ても何の甲斐もない。そういう詞の尻からすぐ民子のことが湧いてくる。多くの
人中に居ればどうにか紛れるので、日の中はなるたけ一人で居ない様に心掛けて居た。夜....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
擡げた、主税の顔を、その威のある目で屹と見て、 「少いものが何だ、端銭をかれこれ
人中で云っている奴があるかい、見っともない。」 と言い棄てて、直ぐに歩を移して....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
、この戦敗者ではあるが文化の方でははるかに優れた国民の種が入り込んできた。ローマ
人中にもまた精選された分子はあったので、それらの人々はこの自分らよりも優れた教養....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
なったろうと存じます。優雅、温柔でおいでなさる、心弱い女性は、さような狼藉にも、
人中の身を恥じて、端なく声をお立てにならないのだと存じました。 しかし、ただい....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
九 男女が前後して総曲輪へ出て、この町の角を横切って、往来の早い
人中に交って見えなくなると、小児がまた四五人一団になって顕れたが、ばらばらと駈け....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
とやかで、引込思案でございます。これに反して玉依姫系統の方は至って陽気で、進んで
人中にも出かけてまいります。ただ人並みすぐれて情義深いことは、お両方に共通の美点....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
、われ等の懸命の努力も、到底|之をいかんともすることができない。座を組織する立会
人中の、ただの一人がそれであった丈でも、しばしば万事水泡に帰せしむることがないで....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
州の騒動に対して痛痒相関せざりしに反し、官軍の東下に引続き奥羽の戦争に付き横浜外
人中に一方ならぬ恐惶を起したるその次第は、中国辺にいかなる騒乱あるも、ただ農作を....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
思いました時が、母のあの騒ぎなんです。――帰りがけにね、大勢ぞろぞろと歩行きます
人中に、私も交っているとはお知んなさらないものですから、……(へなちょこ伯父が何....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
て、人外に道を講究せざるべからず。実際哲学の目的は実益を興起するにあるをもって、
人中に道を応用せざるべからず。すなわち、理論上発見するところのもの、これを応用し....
「西航日録」より 著者:井上円了
の代わりに飲酒をたしなむ。阿片もとより害あり、飲酒また害なしというべからず。本邦
人中、一代にして祖先以来の家産を蕩尽するもの多きは、飲酒その主因ならざるはなし。....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
どき小巒の海上に突起せるを見るは、大いに旅情を慰むるに足る。上等船客西洋紳士十六
人中、鬚髭の有無を検するに、有せざるもの十二人、有するもの四人、すなわち四分の三....
「広告」より 著者:伊丹万作
告のきらいな方はなにとぞ読まないでいただきたい。 このたび私の中学時代からの友
人中村草田男の句集が出た。署名を『長子』という。 一部を贈られたから早速通読し....