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人事
「人事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
人事の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ものでもない。が、その方どもは、何でそのようなものを欲しがるのじゃ。」と、まるで
人事のように御尋ねになりました。すると頭立《かしらだ》った盗人は、白刃《しらは》....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
し、さような輩を斬ってすてるものが出ないとも、限りませんな。」
伝右衛門は、他
人事《ひとごと》とは思われないような容子《ようす》で、昂然とこう云い放った。この....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
と起るのである。わたしはこれを修正すべき理智の存在を否みはしない。同時に又百般の
人事を統《す》べる「偶然」の存在も認めるものである。が、あらゆる熱情は理性の存在....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
博士の説によれば、忍野氏は昨夏|脳溢血《のういっけつ》を患《わずら》い、三日間|
人事不省《じんじふせい》なりしより、爾来《じらい》多少精神に異常を呈せるものなら....
「或る女」より 著者:有島武郎
田川夫人の口びるをその額に受けさしていた。葉子はそんな場面を見せつけられると、他
人事《ひとごと》ながら自分が皮肉でむちうたれるように思った。竜《りゅう》をも化し....
「或る女」より 著者:有島武郎
なく夜となく打ちのめされた。船の中での何事も打ち任せきったような心やすい気分は他
人事《ひとごと》のように、遠い昔の事のように悲しく思いやられるばかりだった。どう....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
去の記憶でも追うように今日の出来事を頭の中で思い浮べていた。凡《すべ》ての事が他
人事《ひとごと》のように順序よく手に取るように記憶に甦《よみがえ》った。しかし自....
「片信」より 著者:有島武郎
の感情によって多少なり影響されているのを見ることがあるではないか。いわんやそれが
人事に密接な関係をもつ思想知識になってくると、なおのことであるといわなければなら....
「星座」より 著者:有島武郎
)となって、学資の大部分を得ているのを考え合わさないわけではなかったが、それが他
人事《ひとごと》のようにしか感じられなかった。渡瀬は「え」といってちょっと新井田....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
》の人が、その男に対する取廻しの優しさ、隔《へだて》なさ、深切《しんせつ》さに、
人事《ひとごと》ながら嬉《うれ》しくて、思わず涙が流れたのじゃ。
すると人の腹....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
るのも三四人ある。着々として歩を進めている。何でも妹たちが人才を引着けるんだ。」
人事ながら、主税は白面に紅を潮して、 「じゃ、君の妹たちは、皆学士を釣る餌だ。」....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
だ夫人のものいうと響くのが、ぶるぶると耳について、一筋ずつ髪の毛を伝うて動いて、
人事|不省ならんとする、瞬間に異ならず。 同時に真直に立った足許に、なめし皮の....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
いことになるでしょう。たぶんたましいはまず第一に警察へでかけるでしょう。それから
人事調査所へもいくでしょう。そしてなくなった品物のゆくえについて捜索がはじまるで....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
横クラブ員につかまって、その合宿所に一晩中監禁され、打つ、ける、なぐる、ほとんど
人事不省になるリンチを受けた。こうした学生運動をやる一面、私はボートを漕ぎ、相撲....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ドイツ軍部もこの頃は国防の根本に対する熱情が充分でなく、ややもすれば行き詰まりの
人事行政打開に重点を置いて軍拡を企図した形跡を見遁す事が出来ない。平時兵団の増加....