人取り[語句情報] »
人取り
「人取り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
人取りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「檸檬」より 著者:梶井基次郎
らしていたのだが――友達が学校へ出てしまったあとの空虚な空気のなかにぽつねんと一
人取り残された。私はまたそこから彷徨《さまよ》い出なければならなかった。何かが私....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
許婚《いいなずけ》の娘があったが、そんなわけで破談となった。妾《めかけ》を二、三
人取り替えたことはあったが、一度も本妻を迎えたことはなかった。いかに大家でも旧家....
「無名作家の日記」より 著者:菊池寛
、取り残されそうだよ。皆が新進作家として、わいわい持てはやされている時に、自分一
人取り残されている。ちょっと変なものだろうな。がその貧乏くじは、案外俺かも知れん....
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
も一寸でも、岸壁の削り取られるごとに、彼は歓喜の声を揚げた。 市九郎は、ただ一
人取り残されたままに、また三年を経た。すると、里人たちの注意は、再び市九郎の上に....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
議でもない、不審でもない、名人のいったその、御前のあのなる「あの」は、伊豆守の浪
人取り締まり政策を利用しようというのでした。ご存じのごとく、松平信綱という人は、....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ていただこうとしたのがまちがいのもとでござりました。それもなんと申してよいやら、
人取りの蛇人《へびひと》に取られたとでも申しますのか、こちらのお絹さまは少しも知....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
た。 決めて帰りがけに葉子達は神楽堂の方の借主をどんな人達かと聞いて見た。五六
人取り交ぜたブルジョアの坊ちゃんで、若いサラリーマンや大学生達だとの事、それから....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
的となり、世評を恥じた結果だと云われている。しかし、同じ運命はその二年後にも、一
人取り残された娘のジョージアにも廻ってきた。許娘者との初夜にどうしたことか、相手....
「魔法修行者」より 著者:幸田露伴
ふとかやまつるにかゝる生頭のいることにて、某のひじりとかや、東山のほとりなりける
人取りてけるとて、後に沙汰がましく聞えき」という事があって、まだしゃれ頭にならな....
「火薬船」より 著者:海野十三
く、冒険を慕ってどんどんうごいているうちに、秘密の火薬船ノーマ号のうえに、ただ一
人取りのこされてしまったというわけである。 “死に神”船長 ノーマ号を火....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
です。金銭の奴隷にして子育ての虫なんだな。からだなんざアどうだって、亭主の五人十
人取りかえたって、純潔てえものを魂に持ってなきゃア、ダメですよ。そこへいくとサチ....
「玉振時計の秘密」より 著者:小酒井不木
、時計の検査をすまし、すぐさま手分けして日本汽船会社の社員全体を呼びよせ、一人一
人取り調べることにしたのであります。 「するとね」と、小田刑事は語り続けました。....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
この頃じゃあ大抵|何楼でも承知の筈だに、どうまた気が揃ったか知らねえが、三人が三
人取りに寄越したのはちっと変だ、こりゃお気をつけなさらねえと危えよ。」 ますま....
「迷信解」より 著者:井上円了
害をなす。ゆえに金神七殺という。殺はころすとよむ。よってこの方をおかせば、必ず七
人取り殺すゆえ七殺ともいう。家に七人なければ隣をかぞえて殺すという」と説いてある....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
タリーへ帰って往ってしまいました。そして私はまるではだかで、ジョホールにたった一
人取り残されてしまったのです。 それからの私の生活は、お話にも何もならない、惨....