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人外
「人外〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
人外の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
しゅそく》となる門弟の数も多かった。甚太夫はそこで惴《はや》りながらも、兵衛が一
人外出する機会を待たなければならなかった。
機会は容易に来なかった。兵衛はほと....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
え、どうぞして取り返そうと、夫ともども心を砕いておりましたところ、じつに大口様は
人外なおかたでござります。その夫を、あろうことか、あるまいことか――」 「よし、....
「新生」より 著者:島崎藤村
。何か彼一人が好い事でもするかのように。頼りのない不幸なものを置去りにして、彼一
人外国の方へ逃げて行きでもするかのように。
「叔父さんが嬉しいか、どうか――まあ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
行列車が、函根の隧道を出切る時分、食堂の中に椅子を占めて、卓子は別であるが、一|
人外国の客と、流暢に独逸語を交えて、自在に談話しつつある青年の旅客があった。 ....
「蠅男」より 著者:海野十三
て、そこから中へ這入れると報告をした。大川は悦んで、 「よし、そこから這入れ、三
人外に残して、残り皆で這入るんや。俺も這入ったる」 巡査部長は、佩剣を左手で握....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
人外魔境 地軸二万哩 小栗虫太郎 魔境からの使者 ――折竹氏、中央亜細亜....
「星」より 著者:国木田独歩
霜白く置きそむれば、小川の水の凍るも遠からじと見えたり。かくて日曜日の夕暮れ、詩
人外より帰り来たりて、しばしが間庭の中をあなたこなたと歩み、清き声にて歌うは楽し....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
父親はきょうは用があるからうちにいろとわたしに言いわたした。かれはマチアだけを一
人外へ出した。ほかの者もみんな出て行った。祖父だけが一人、二階に残っていた。わた....
「赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
で暮らしましたが乳母が病気で死にましてからは、日に日に悲しいことばかり、とうとう
人外の夜鷹とまで零落れましてござりますが、いまだに海賊の名も知らず残念に存じて居....
「南極の怪事」より 著者:押川春浪
。 この船は元来真珠取船にて、アフリカの西岸に沿い、南太平洋を渡って、ほとんど
人外境とも云うべき南方に向うものなれば、旅客や貨物を載すべきものにあらず、しかる....
「多神教」より 著者:泉鏡花
を※と蹴る)汚らわしいぞ! 罰当り。 お沢 あ。(階を転び落つ。) 神職 鬼畜、
人外、沙汰の限りの所業をいたす。 禰宜 いや何とも……この頃の三晩|四晩、夜ふけ....
「ばけものばなし」より 著者:岸田劉生
と思っている。 妖怪と幽霊の区別 幽霊とは人間の化けたもので妖怪とは
人外の怪である。 幽霊は大てい、思いを残すとか、うらみをのこすとかいう、歴とし....
「ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
リーナ・リヴォーヴナは落着きはらって下りてきた。ただ厚地の肌着と、ごわごわした囚
人外套が、なま傷だらけの自分の背中にへばり着かぬように気をくばっていただけのこと....
「活人形」より 著者:泉鏡花
置かんと、手を叩きて亭主を呼べば、気軽そうな天保男、とつかわ前に出来りぬ。「御主
人外でも無いが、あの雪の下の赤城という家。と皆まで言わぬに早合点、「へい、なるほ....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
際哲学あり、政教は実際哲学に属す。理論哲学の目的は真理を発見するにあるをもって、
人外に道を講究せざるべからず。実際哲学の目的は実益を興起するにあるをもって、人中....