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人寰
「人寰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
人寰の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忘れえぬ人々」より 著者:国木田独歩
れはどこの田舎も同じことであるが、僕は荒涼たる阿蘇の草原から駆け下りて突然、この
人寰に投じた時ほど、これらの光景に搏たれたことはない。二人は疲れた足をひきずって....
「銀座アルプス」より 著者:寺田寅彦
ような気がする。日常人事の交渉にくたびれ果てた人は、暇があったら、むしろ一刻でも
人寰を離れて、アルプスの尾根でも縦走するか、それとも山の湯に浸って少時の閑寂を味....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
馬は相変らずの調子で、日本アルプスを後ろに、松本平を前に、月明の夜、天風に乗じて
人寰《じんかん》に下るような気取りで歩いて行きましたが、今度はさっぱり手ごたえが....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
に下山を致して参るつもりでございます。本来、目が見えませんから、山へ登りましても
人寰《じんかん》の展望をほしいままに致そうとの慾望もござりませず、山草、薬草の珍....
「自由人」より 著者:豊島与志雄
人々を仰ぎ見、また霧の底の鳥の鳴き声に耳を傾けた。 意外な温い思いである。遠く
人寰を離れて、千五百メートルの寂寥な高所での、その温い思いは、天の逆鉾に纏わる伝....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
くれるであろう。 最後に私は、古書肆の店頭から殆ど姿を消してしまった本書を再び
人寰の裡へ呼びかえしてくれられた知友|角川源義さんの御厚意に、心からの御礼を申し....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
さと親しさとを以て之に接し得るのは、畢竟室堂の影が始終視界を離れない為であろう。
人寰との交渉を断続した筈の高い処に、尚お余り小さいながらも縮図されたる下界が存在....