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「人工呼吸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

人工呼吸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
奈々子」より 著者:伊藤左千夫
うものはない。父は冷えたわが子を素肌《すはだ》に押し当て、聞き覚えのおぼつかなき人工呼吸を必死と試みた。少しもしるしはない。見込みのあるものやら無いものやら、た....
殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
りあえず初江の死体を日本間にうつすことにきまつた。 木沢医師が来るまで、林田が人工呼吸をやつてしきりと水をはかせているようだつたが、初江の様子は素人の私が見て....
舗道」より 著者:宮本百合子
いいんだがねエ」 小母さんが云った。 「おい、平田! どうだ一つ!」 「ばか、人工呼吸すれば、脳貧血ぐらいすぐだヨ」 云うばっかりで誰も実際には手を出さない....
一九二五年より一九二七年一月まで」より 著者:宮本百合子
たらしい。 Y、あわてて、助けだしたら、まがうかたなきブリの切身になって居る。人工呼吸は、どうやるのだか分らないが、多分よく揉めばよいのだろうと、両手でもむ。....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ったのでカン子《し》(頭にかけて赤ちゃんをひき出す道具)をつかって仮死で出た由。人工呼吸でそれでも母子ともにもう安全だそうです。なかなか危険なところでした。赤ち....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
にされて身体の汚物をキレイにふきとられていたことは、エンゼルの仏心でもなければ、人工呼吸のためでもない。心ゆくまで暴行をたのしむためであったにすぎない。 ルミ....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
と云うのは、小六にまだ、体温が残っているのを発見したことで、それから総掛りの人工呼吸の結果、この老侏儒はようやく蘇生することができた。 すると、なんとした....
土の中からの話」より 著者:坂口安吾
と称して、山の林に首くくりがブラブラしていても、もしや生き返りやしないか、下して人工呼吸でもしてやろうなどとは考えずに、まっさきに考えるのは、よけいな事にかかわ....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
んじゃないよ。オレのウチの金魚が悪いせいじゃないよ」 ブツブツ云いながら金魚の人工呼吸法などを女どもに伝授して帰って行った。 この中からも十五匹ほど死んだが....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
宴のまだ始まらない内に岩佐氏が卒倒せられたので、お兄様が近寄られると、岡玄卿氏が人工呼吸をなさるので、その手伝いをなすったそうですが、ついに逝かれたそうです。岡....
暴風雨の夜」より 著者:小酒井不木
らし乍らも、時機を待って居ました。彼が立ち去るなり、私は手早く、友江さんを下し、人工呼吸を施しますと、間もなく息を吹き返しましたので、予て妻と打合せてあった室に....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
て内へ駈込んだ。塚田巡査も続いて入った。 お杉は南向の縁側に横えられた。市郎の人工呼吸|其他の応急手当が効を奏して、彼女は間もなく息を吹き返した。 「どうだ、....
母子像」より 著者:久生十蘭
、なんとかして助けようじゃないかということになって、アダムスと二人で二時間近くも人工呼吸をやって、いくらか息が通うようになってから、ジープで野戦病院へ連れて行き....
童子」より 著者:室生犀星
に音というものがなかった。 「お父さん、今ですよ。」と妻が言った。 写野さんが人工呼吸をやった。汗とあぶらが赤児の肌身と写野さんの手のひらににちゃついた。私は....
魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
しておきながら何んという矛盾でしょう、私は公高を抱いて私の居間へ連れて行き夢中で人工呼吸を行ったのですが、もう駄目でした。すると急に犯した罪が恐しくなって慄え上....