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人影
「人影〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
人影の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
のサロンであろう。セセッション式の家具を並べた、妙にだだっ広い西洋室である。が、
人影《ひとかげ》はどこにも見えない。ずっと奥に見えるリフトも昇《のぼ》ったり降《....
「影」より 著者:芥川竜之介
しかし不思議はそればかりではない。やがてその二階の窓際には、こちらへ向いたらしい
人影が一つ、朧《おぼろ》げな輪廓《りんかく》を浮き上らせた。生憎《あいにく》電燈....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
列室のまん中に据えてあるベンチへ行って、一しょに腰を下ろした。室内にはもう一人も
人影は見えなかった。ただ、周囲には多くの硝子戸棚《ガラスとだな》が、曇天の冷《つ....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
あえ》ぎ喘ぎ、この光がさし始めると同時に、朦朧《もうろう》とあたりへ浮んで来た、
人影があるのを発見した。
人影は見る間《ま》に鮮《あざや》かになった。それはい....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
がふと気がついて見ると、薄暗い北向きの玄関には、いつのまに相手は帰ったのか、誰も
人影が見えなかった。
十三
七草《ななくさ》の夜《よ》、牧....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
かった。そう云うことにも気づかなかったと云うのは………
保吉は下宿へ帰らずに、
人影の見えない砂浜《すなはま》へ行った。これは珍らしいことではない。彼は一月五円....
「葬儀記」より 著者:芥川竜之介
ゅうしゃ》が来る。続いて、一般の会葬者が、ぽつぽつ来はじめた。休所の方を見ると、
人影がだいぶんふえて、その中に小宮《こみや》さんや野上《のがみ》さんの顔が見える....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
には、部落の家々から出て来た人の姿が、黒々と何人も立ち並んでいた。のみならずその
人影は、剣を下げた彼を見ると、誰からともなく騒ぎ立って、「素戔嗚だ。素戔嗚だ。」....
「少年」より 著者:芥川竜之介
《ばら》の花も、ひっそりと湛《たた》えた水の上へ鮮《あざや》かに影を落している。
人影は勿論、見渡したところ鴎《かもめ》一羽浮んでいない。水はただ突当《つきあた》....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
ピストル強盗をつけ廻しているが、逮捕《たいほ》出来ないとか云うのだった。それから
人影でも認めたのか、彼は相手に見つからないため、一まず大川の水の中へ姿を隠そうと....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
す。が、そう云う家の中に、赤々《あかあか》と竈《かまど》の火が見えたり、珍らしい
人影が見えたりすると、とにかく村里へ来たと云う、懐《なつか》しい気もちだけはして....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
に従って、今度は何となく私の眼にも、そこの月の光の中に、だんだん小さくなって行く
人影があるような気がしました。これは申すまでもなく、私の神経の迷かもしれませんが....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
き窓から落した手紙は、無事に遠藤さんの手へはいったであろうか? あの時往来にいた
人影は、確に遠藤さんだと思ったが、もしや人違いではなかったであろうか?――そう思....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
乗客はいなかった。外を覗くと、うす暗いプラットフォオムにも、今日は珍しく見送りの
人影さえ跡を絶って、唯、檻に入れられた小犬が一匹、時々悲しそうに、吠え立てていた....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
かになり、ついには消えてしまった。今まで陽気に騒がしかった邸は今や静まりかえり、
人影はなくなってしまった。イカバッドだけはまだあとに残って、田舎の恋人たちがつね....