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人待ち顔
「人待ち顔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
人待ち顔の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
な端下者《はしたもの》が何でそのような……。現在の証拠はお身さまこそ、さっきから
人待ち顔にここに忍んでござるでないか」 今度は別に言い訳をしようともしないで、....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
し込んでおくと、疾風のごとくただちに駆けもどったところは、若新造がもろはだぬぎで
人待ち顔にお化粧をやっていた路地奥のあの一軒でありました。行ったかと思うと、もう....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
固めて、そこの座敷のそれもすみのほうにちんまりとお上品にかしこまりながら、だれか
人待ち顔に、いたってぼんやりとしていたものでしたから、あっけにとられてきき尋ねま....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
あるのです。 不思議な船が、大川岸に四|艘《そう》、小堀の中に三|艘《そう》、
人待ち顔につないであるのです。 それもただの不思議ではない。七艘ともにしめなわ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
待ちました。 4 さて、その翌朝です。起きるから右門はしきりとなにか
人待ち顔でいましたが、と、それを裏書きするように、あわただしく表のかたにあたって....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
郎は足早に追って行った。音羽の大通りへ出て、九丁目の角へ来かかると、ひとりの女が
人待ち顔にたたずんでいた。彼女は長三郎を待っていたらしく、その姿をみると小走りに....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
伝いに出て来た。 「まあ、いつの間にか積ったこと」 独り言を云いながら、彼女は
人待ち顔にたたずんでいたが、傘を持っていない彼女は髪を打つ雪に堪えないと見えて、....
「安重根」より 著者:谷譲次
出た表のドアを開けて来る。そして、階段のほどよい段に洋燈を移し、第一段に腰かけて
人待ち顔に洋燈の下でパイプの掃除にかかる。遠くで汽笛が転がる。朝鮮服の安重根がち....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
がかりをしていると、ある日の夕暮れ、ひとりの青年が二人の僕をつれて、岸のあたりを
人待ち顔に徘徊しているのを見ましたので、徐は声をかけてその三人を舟へ呼び込み、有....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
とが出来ない、というのである。大津の京に関係あった湖水の一部の、大曲の水が現在、
人待ち顔に淀んでいる趣である。然るに、「オホワダ」をば大海即ち近江の湖水全体と解....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
近い頃でした。洋服を着た一人の男が宿の裏口へ来て、それから横手の塀の外へ廻って、
人待ち顔にうろうろしていると、いつの間にかお留がぬけ出して行ったんです。」 そ....
「放し鰻」より 著者:岡本綺堂
は地に落ちて霜のように白かった。路地のなかまで送り込むと、その門口には一人の女が
人待ち顔にたたずんでいた。 あくる朝になって、この長屋じゅうは勿論、町内をもお....
「縁談」より 著者:佐藤垢石
遠くから駅の入口の人混みのなかを物色した。いる、いる、兄妹二人で、駅前の庭の方を
人待ち顔に眺めている。 『いるか』 と、山岡は及び腰できくのだ。 『いる。あす....
「深夜の客」より 著者:大倉燁子
影であるような気がしてならなかった。 有松の邸はひっそりとしていたが、それでも
人待ち顔に扉は左右に開かれていたので、円タクは音を立てて門内に辷べり込んだ。が、....