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「人後に落ちない〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

人後に落ちないの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
。がどうだって構わないんです。僕だって、マルクスやレーニンに関心を持つことは敢て人後に落ちないつもりですからな。僕あ、趣味としてはことごとく在来の日本人だけれど....
パンドラの匣」より 著者:太宰治
けれども、君も御存じのとおり、天才の詩人というものを尊敬する事に於いては、敢えて人後に落ちないつもりだ。 「あのひとが、ねえ。」しばらくは、感無量であった。 「....
死までを語る」より 著者:直木三十五
零に近く、人の顔や、名を忘れる事には、いつも呆れているが、本を読んで忘れる事も、人後に落ちないつもりである。それだけ読んで、何か憶えているかと、云われると、何一....
惜別」より 著者:太宰治
さえ打ち解けず、人間ぎらいという程ではなくても、人みしりをするという点では決して人後に落ちない私が、京、大阪どころか、海のかなたの遠い異国からやって来た留学生と....
火星兵団」より 著者:海野十三
た人間であることに変りはない。だから地球人類が栄えるように、ねがうことについても人後に落ちない。しかし、今までそのことを誰にも話をすることが出来なかったのだ。な....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
る瞬間の自分というものを、限りなく果報に感じ出してきた。おれも貧乏に於てはかなり人後に落ちないが、斯様《かよう》な富の豊富無尽蔵を感じ得る頭脳だけは、無類の幸福....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、人間はこの通りお粗末だけれども、せめて古人を見ることの謙遜と、忠実とだけでは、人後に落ちないようにと心がけてはいます。ですから、拙者は今日まで、いやしくも名画....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
れあまあ大概の事物には興味を持つんだし、ことに金を出すことにかけちゃあ何にだって人後に落ちない気でいるんだから、この今夜の一隊も、例によってほとんど、英米両国の....
中庸」より 著者:坂口安吾
ことができたかも知れない。私はとりたてて能がないが、ただ一つ中庸を尊ぶことに於て人後に落ちないことが取柄ではないかと考えている。政治というものは技を要し策を要し....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
破られているかも知れない。 しかし、ベク助とても悪党の筋が一本通っている点では人後に落ちない曲者だから、みんな見破られているようだと分っていても、よろしい、一....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
きた。 川田は全作の唯一と云ってよい友人であった。銀行の副頭取だが、古美術では人後に落ちない趣味家であった。 川田が全作を訪ねてくるのは、たいがい土曜日の夜....
佳日」より 著者:太宰治
立ちやしないんだ。けれども、小生と雖も、貴兄の幸福な結婚を望んでいる事に於いては人後に落ちないつもりだ。なんでも言いつけてくれ給え。小生は不精だから、人の事に就....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
、おどろいたねえ。私はバカげた飲んだくれぶりでは歴戦の勇士で、性こりもない点では人後に落ちない方である。酔っ払って、他の酔っ払いの為し得ない放れ業は数々これを行....
純情狸」より 著者:佐藤垢石
どりと呼び、三絃、笛、太鼓はもちろんであるが、婦芸一般に精をだし、書を読むことも人後に落ちない。そして麗容|薔薇を欺くというのであるから、大したものである。 ....
河豚食わぬ非常識」より 著者:北大路魯山人
と思っているまでではあるが。とにかく、誰がなんといっても美食没頭の体験においては人後に落ちない自信を有している。従って、あらゆる美食を尽くしていると告白するに躊....