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「人性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

人性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
日光小品」より 著者:芥川竜之介
ゆる公平無私にいくばくの価値があるかは私の久しい前からの疑問である。単に著者の個人性が明らかに印象せられたというに止まりはしないだろうか。 私は年長の人と語る....
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
にしている。そうしてこの二つの公共圏のうち、「上品」および「派手」の属するものは人性的一般存在であり、「いき」および「渋味」の属するものは異性的特殊存在であると....
初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
《ばっこ》して、いっさいの生命がその新らしき希望と活動とを抑制せらるる時である。人性本然の向上的意力が、かくのごとき休止の状態に陥ることいよいよ深くいよいよ動か....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
ものを知らないので、試験所の図書室で百科辞典を調べて見た。それは欧洲文芸復興期の人性主義が自然性からだんだん剥離して人間|業だけが昇華を遂げ、哀れな人工だけの絢....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ず、ここで明らかに、犯人が手袋を投げたということも、また、想像を絶しているその超人性も、この一つで十分裏書されたと云えよう。やがて、旧の書庫に戻ると、法水は未整....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
れなくなった。マヌエラ、これが悪魔の尿溜の墓の掟なのだ。獣は野性をうしない、人は人性をわすれる――私も死にゆく巨獣となんのちがいがあろう。 こうして、私は、|....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
てまさに鑿を揮わんとして息を屏め目を凝らすがごとくに、ベルグソンは与えられたる「人性」を最高の傑作たらしめんがためにじっとライフを見つめているのである。われらは....
」より 著者:海野十三
らやってこないためだった。 その間に、松吉はひどく神経質になり、而もたいへん嫌人性になって、彼の穢しい小屋の中に終日閉じ籠っていた。 その間にも、前科者の化....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
なぐられかねない。見ずや、きみ、やかなの鋭き匕首をもって、骨を削り、肉を裂いて、人性の機微を剔き、十七文字で、大自然の深奥を衝こうという意気込の、先輩ならびに友....
一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
ると、人間は皆死ぬ間際まで待たなければ何も書けなくなるよ。歌は――文学は作家の個人性の表現だということを狭く解釈してるんだからね。仮に今夜なら今夜のおれの頭の調....
学生と教養」より 著者:倉田百三
後期のものがすべての点において前期のものにまさっているとはいえない。ある時代には人性のある点は却って閑却され、それがさらに後にいたって、復活してくることは珍しく....
女性の諸問題」より 著者:倉田百三
宗教というものは古臭いものとして捨ててかえりみなかったが、最近になって、またこの人性の至宝ともいうべき宗教を、泥土のなかから拾いあげて、ふたたび見なおし、磨き上....
迷信解」より 著者:井上円了
して恥ずべきことである。 わが国に行わるる吉凶鑑定法に二種の別がある。その一は人性につきて鑑定するもの、その二は方位につきて鑑定するものである。そのうち広く世....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
た。慧鶴は憐れな気がして、そっと暗涙を袖で押えた。慧鶴は普通な人情よりこういう超人性を帯びた片輪な性情については生れ付きの察しと同情を持っていて、それが随分自分....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
却って被駆使者となり、奴僕となり、これ命これに従わねばならなくなる。個々としての人性は蹂躪せられ、生活範囲は制限せられ、遂には絶対の権威を以て圧倒されてしまう。....