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「人慣れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

人慣れの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
らりと動かしました。 右へ動けば右へ飛び、左へ動けば左へ飛んで、こわいほどにも人慣れのしたやまがらが、手のむちの動くたびにその影を追いながら、ぴょんぴょんとお....
行人」より 著者:夏目漱石
せんが、二人ぎりで独立した一軒の家の主人《あるじ》になりすまされたという気分が、人慣れない兄さんの胸に一種の落ちつきを与えるのが、その大原因だろうと思います。今....
蠅男」より 著者:海野十三
んで下さい。この婦人が世話をしますから、どうぞ」 検事が頤をしゃくると、保姆は人慣れた様子で二人に挨拶し、二階へ案内する旨を申述べた。――二人は観念したものと....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
はゆかなかった。 独活が多くなって、白い小さい花が、傘のように咲いている、変に人慣れないような、青臭い匂いが、鼻をそそる、谷から谷を綾取るようにして、鶯が鳴き....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
げて考えこんでいたが、不意に熱狂した調子でうたい始めた。 「まとうものなく、人慣れず、 心ちいさき野の人は 岩屋の奥に身をひそめ、遠近《おちこち》の野をさす....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
た」と感慨深く云ったのは、例の望月角右衛門という武士で、「百姓も町人も、今ほど浪人慣れていず、威嚇などにも乗りやすく、よく金を出してくれたものよ。それに第一、浪....
書記官」より 著者:川上眉山
然として鼻の先にあしらうごとき綱雄の仕打ちには、幾たびか心を傷つけられながらも、人慣れたる身はさりげなく打ち笑えど、綱雄はさらに取り合う気色もなく、光代、お前に....
妖怪報告」より 著者:井上円了
馴し、食物を掌上に載せ出だせば、来たりてこれを啄み、少しも驚愕畏懼の風これなし。人慣れ、籠慣れとも申すべきか。しかるに、今御報知及ぶべき次第は、右小鳥より生ぜし....