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「人指〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

人指の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
を手にしていた。 正勝は左の手でぐっと手綱を引きながら、上半身を起こして猟銃を人指し指が引金のところへいくように持ち替えた。 「何かおれに用かい?」 正勝は....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
いますか」 「叱《し》ッ」 博士は、ホーテンスの方へは振返らないで、自分の唇に人指し指をあてた。 「失礼しました……」 ホーテンスは悪びれず謝罪してから、水....
婦系図」より 著者:泉鏡花
子を上へ抜上げると、元気に額の皺を伸ばして、がぶりと一口。鶺鴒の尾のごとく、左の人指をひょいと刎ね、ぐいと首を据えて、ぺろぺろと舌舐る。 主税はむしゃりと海苔....
深夜の市長」より 著者:海野十三
うと、老人は、 「そうさなあ、――」 といって、特徴のある小鼻を左右から拇指と人指し指とで摘んでスーッと先の方へ引張った。さっきから見ていると、老人はよくそん....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
たところのものが、今アメリカ軍によって行なわれるのを見て感慨無量だが、お役人や軍人指導者達もさぞや別の意味で感慨無量であろう。とにかく人間研究を怠り、民生を尊重....
工場細胞」より 著者:小林多喜二
」さえも安々と賭けなければならない。ブリキ罐をいじっている製罐部の諸君に、私は何人指のない人間がいるかを知っている。――指の無い人間! それが製罐工場が日本一だ....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
たゆえに、老体なれども此の度態々出て参ったのだ、其の方のような悪人は年を老っても人指と拇指で捻り殺すぐらいの事は心得て居る、さアそれとも言訳があるか、忠義に凝っ....
名人長二」より 著者:三遊亭円朝
からお父さんが長二という名をお命けなすったんだが、是にも訳のある事で、お前の手の人指が長くって中指と同じのを御覧なすって、人指の長い人は器用で仕事が上手になるも....
人造人間事件」より 著者:海野十三
人なんだが、どうもちとここのところへ来ているようだよ。可哀想に」 と、耳の上を人指し指で抑えた。 それから十五分ほど経った。 博士邸の門前は、にわかに騒が....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
たんですがね、掌が大きいの。 それをね、けだるそうに、ふらふらとふって、片々の人指ゆびで、こうね、左の耳を教えるでしょう。 聞えないと云うのかね、そんなら可....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
だった筈だ。その素地は、日本の軍部がつくってくれたのである。 すくなくとも、軍人指導下の日本よりも、ソビエトの方がマシなのは明かだろう。働く者には給与がある。....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
て事実よりももっと厳粛な天理であるというように考えられると、その天理をいただく軍人指導者とただの庶民との距りと同じものが必ず生れてくるものです。神がかりの軍人指....
夜光虫」より 著者:織田作之助
り、絞り出した。 「なんや、唖か」 男は自分の耳へ、女のようにきゃしゃで美しい人指し指を当てた。 耳は聴こえるのかという意味だと、娘も判ったのか、 「う、う....
三枚続」より 著者:泉鏡花
を屹と見据え、今なお座中に横わって、墨色も鮮に、五千疋とある奉書包に集めた瞳を、人指指の尖で三方へ突き廻し、 「誰を煽いだつもりだよ、五千疋のお使者が御紋服の旦....
」より 著者:神西清
う。……あのデスクと、それからあの桃花心木の戸棚は、ジューコフ将軍の農奴だった素人指物師のグレーブ・ブトィガが、親爺のために作ってくれたものでね。そう……。その....