»
人攫
「人攫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
人攫の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「異妖編」より 著者:岡本綺堂
しくと泣き出した。おっ母さんも顔をくもらせて、お兼ちゃんは児柄がいいから、もしや
人攫いにでも連れて行かれたのではあるまいかと言った。そんなことかも知れねえと、お....
「鼠」より 著者:岡本綺堂
お元のゆくえは遂にわからなかった。 この時代には神隠しということが信じられた。
人攫いということもしばしば行われた。お元は色白の女の子であるから、悪者の手にかど....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
まぎれて彼女を引っ攫って行った者があるに相違ないと鑑定した。神隠しばかりでなく、
人攫いということも此の時代には多かった。半七は先ずこの
人攫いに眼をつけたが、そう....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ある。誰かが見つけて連れて来てくれそうなものだと云う者もある。そうなると、もしや
人攫《ひとさら》いにでも拐引《かどわか》されたのじゃあないかと云う疑いも起こる。....
「稚子法師」より 著者:国枝史郎
ら物語に綴る必要は無い。果然意外の災難が彼の一家に降って湧いた。 「近頃不思議の
人攫いが徘徊するということだ」―「五才迄の子を攫って行くそうだ」 斯ういう噂の....
「南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
そいつにぶつかりたいものだ」 顔に痣のある男である。 「桐兵衛爺と来た日には、
人攫いにかけては名人だ、いずれ上玉の三つや四つは、仕込んでいるに相違ない。真っ先....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
見当はついてるのか?」 「なんの見当でございますな?」 「当たりめえじゃねえか、
人攫いのよ」 「それならついていませんそうで」 「呆れたものだ。無能な奴らだ」 ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
い町は、革命と聞くと恐れおののき、眠りの中に逃げ込んでしまう。あたかも子供らが、
人攫《ひとさら》い鬼の来るのを聞いて、急いで頭からふとんをかぶるようなものである....
「伸子」より 著者:宮本百合子
た彼らに見せた。 「おや、こんなのがあったかしら……この時分じゃなくて、ほらよく
人攫《ひとさら》いが来るって、こわがったの。――吉さんを送って行ったかえり、坂の....
「私たちの建設」より 著者:宮本百合子
、自分達の働きの意義も知らず、今昔物語に現われているように沢山の迷信や鬼の話や、
人攫《ひとさら》いの話などのうちに耕作し、紡ぎ、織り、炊《かし》ぎして生活した。....