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「人柱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

人柱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
花燭」より 著者:太宰治
爵と呼ばれている男の身の上にも、見受けられるのである。なんでもいい、一刻も早く、人柱にしてもらって、この世からおさらばさせていただき、そうして、できれば、そのこ....
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
も、もはや年を重ねずして成り申そう。御身の手にかかり、この洞門の入口に血を流して人柱となり申さば、はや思い残すこともござりませぬ」と、いいながら、彼は見えぬ目を....
猟奇の街」より 著者:佐左木俊郎
しい暗示をかけられた。――自分たちをどこかへ売ろうとしているのに相違ない。築港の人柱! このホテルは確かにそういうことを職業としているのだ。――とそのうちに、彼....
蟹工船」より 著者:小林多喜二
本々々労働者の青むくれた「死骸」だった。築港の埋立には、脚気の土工が生きたまま「人柱ということに結びつけて、マンマと合理化していた。抜目がなかった。「国家」のた....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
返し色紙を返送した。(昭和九年十二月、渋柿) 安倍能成君が「京城より」の中で「人柱」ということが西洋にもあったかどうかという疑問を出したことがあった。近ごろル....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
が、大学卒業間際に肺病で死んで了う。蜀山を兀がした阿房宮が楚人の一炬に灰になる。人柱を入れた堤防が一夜に崩れる。右を見、左を見ても、賽の河原は小石の山を鬼に崩さ....
青い眼の人形」より 著者:野口雨情
長柄の橋 ここは大阪の どこの町 ここは長柄《ながら》の 町つづき 長柄の橋は人柱 雉子雑子 啼くな 雉子啼くな 雉子も啼かずば 打たれまい この児も泣かずば....
丹下左膳」より 著者:林不忘
ざけてたった三人、五|徳《とく》の脚《あし》のようにすわっている影があった。 四人柱《ひとばしら》ということがあります。 今この言葉は、単に、犠牲とか身を埋め....
銀座アルプス」より 著者:寺田寅彦
座アルプスもいつかは再び焦土と鉄筋の骸骨の砂漠になるかもしれない。それを予防する人柱の代わりに、今のうちに京橋と新橋との橋のたもとに一つずつ碑石を建てて、その表....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
冤罪《えんざい》に殺しても、後腹《あとばら》の病まない無籍者だから、時にとっての人柱もやむを得ないと、当人ではない、役人たちが観念して、草津の辻へ「生曝《いきざ....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
なった。その時出来たのが「築き島の由来」とかいう劇の脚本で、青年松王が自ら求めて人柱になるという、それを自分にも実行したのが彼のピストルの自殺である。氏の湯島の....
初旅」より 著者:寺田寅彦
東寺に先祖の一海和尚の墓に参って、室戸岬の荒涼で雄大な風景を眺めたり、昔この港の人柱になって切腹した義人の碑を読んだりしたが、残念ながら鯨は滞在中遂に一匹もとれ....
剣侠」より 著者:国枝史郎
云おうか何と云おうか、どうにも変な気持がして、とうとう引返してしまったのさ。……人柱が立っているんだからなア……骸骨なんだ、本当の骸骨! ……そっくり原形を保っ....
多神教」より 著者:泉鏡花
、御神体は、いかなる、いずれより、天降らせます。…… 媛神 石垣を堅めるために、人柱と成って、活きながら壁に塗られ、堤を築くのに埋められ、五穀のみのりのための犠....
人身御供と人柱」より 著者:喜田貞吉
宮城二重櫓の下から白骨や古銭が出たので、やれ人柱だの、墓地であったのだろうだの、工事の際の傷死人を埋めたのであろうだのと、い....