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人畜
「人畜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
人畜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
んこつ》を、二三度膝の上にこすりながら、
「彼奴等《きゃつら》は皆、揃いも揃った
人畜生《にんちくしょう》ばかりですな。一人として、武士の風上《かざかみ》にも置け....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
おれはあの一瞬間、康頼《やすより》にも負けぬ大嗔恚《だいしんい》を起した。少将は
人畜生《じんちくしょう》じゃ。康頼もそれを見ているのは、仏弟子《ぶつでし》の所業....
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
時《むかし》四斗|樽《だる》程の大蛇が棲《す》んでおって、麓の村へ出てはしばしば
人畜を害したので、須藤権守《すどうごんのかみ》という豪傑が退治したという口碑が伝....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
びとを取り啖《くら》うは勿論、あたりの在家《ざいけ》をおびやかして見あたり次第に
人畜を屠《ほふ》り尽くすので、宗重は早速に自分の人数を駆りあつめて幾たびか狐狩り....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
て溝へはまった。水を全身に浴みてしまった。若い者共も二頭三頭と次々引出して来る。
人畜を挙げて避難する場合に臨んでも、なお濡るるを恐れておった卑怯者も、一度溝には....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
ございます。石松は化けもの以上に驚いたに相違ございません。(おのれ、不義もの……
人畜生。)と代官婆が土蜘蛛のようにのさばり込んで、(やい、……動くな、その状を一....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
だ三時が間に市の約全部を焼払った。 烟は風よりも疾く、火は鳥よりも迅く飛んだ。
人畜の死傷少からず。 火事の最中、雑所先生、袴の股立を、高く取ったは効々しいが....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
には死人も出来た。 そればかりでなく、十五里の区域内には疫病が大いに流行して、
人畜の死する者おびただしく、かの県令も病いにかかって危うく死にかかったというので....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
、誓を忘れて、狭き池の水をして北陸七道に漲らそうとする。我が自由のためには、世の
人畜の生命など、ものの数ともするものでない。が、約束は違えぬ、誓は破らん――但し....
「雷」より 著者:海野十三
しに、柱や壁を伝わって地中へ逃げるから、それで柱や壁が燃えだしたり、その傍にいた
人畜は電撃をうけて被害を蒙るのです。私の場合は、そういった避雷装置が完全に出来て....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
しては、……御夫婦に向いましては、立って身を支えるにも堪えません、一刻も早くこの
人畜の行為に対する、御制裁を待ちます。即時に御処分のほどを願います。) 若旦那....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ロ時代からひじょうに名が高く、すべてを焼きつくす恐怖的高熱度。砂は焼け塩は燃え、
人畜たちまちにして白骨となるという、嘘も隠しもない世界の大驚異。ではその、見えな....
「岷山の隠士」より 著者:国枝史郎
は浮雲いと思いながらも、真面目に答えざるを得なかった。 「地は万物の母であって、
人畜魚虫山川草木、これに産れこれに死し、王者の最も尊敬するもの、冬至の日をもって....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
ござる」
「むッ、わりゃア……」
「拙者だよ」
「悪人!」
「くたばれ」
「に、
人畜生!」
傷手にも屈せず起き上がって、浪人の腰へむしゃぶりついた。その武左衛....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
も私が人間でなくなるのか?……どっちだかそれは解らんが、とにかく相互の熱情熱愛に
人畜の差別を撥無して、渾然として一如となる、」とあるはこの瞬間の心持をいったもん....