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人目を憚る
「人目を憚る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
人目を憚るの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「護持院原の敵討」より 著者:森鴎外
こで聞けば、勧善寺の客僧はいよいよ敵らしく思われる。それは紀州|産のもので、何か
人目を憚るわけがあると云って、門外不出で暮していると云うのである。親切な町年寄は....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
するために、自分の居間に入ったのであった。 そこへチョロチョロと人の足音がして
人目を憚るようにして、速水女史が入ってきた。そこで妾は、手文庫から二百円の小切手....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
出ている広小路をあるいた。小夜子は子供の手を引いていたが、そうして歩くにも、何か
人目を憚るらしいふうにも見えるのであった。 ふと葉子の話が出た。 「僕もつくづ....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
緬の女が似たと思う、そのお千さんである。 四 お千は、世を忍び、
人目を憚る女であった。宗吉が世話になる、渠等なかまの、ほとんど首領とも言うべき、....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
は受けているのが、いよいよ獲ものに困ずると、極めて内証に、森の白鷺を盗み撃する。
人目を憚るのだから、忍びに忍んで潜入するのだが、いや、どうも、我折れた根気のいい....
「花園の思想」より 著者:横光利一
皆ことごとく疲れと眠さのため物憂げに黙っていた。それは恋に破れた娘らがどことなく
人目を憚るあの静かな悩ましさをたたえているかのように。或るものはその日の祈りをす....
「雁」より 著者:森鴎外
ともあるが、窓に女のいる時は女に遠慮をする。そうでない時は近処の人や、往来の人の
人目を憚る。とうとう庇の蔭になっている小さい木札に、どんな字が書いてあるか見ずに....
「早耳三次捕物聞書」より 著者:林不忘
まがいの忍び装束で茶屋町近くに張込んでいるとこれも身軽に扮《つく》った蜻蛉の辰が
人目を憚るように出て来て、東仲町を突き当った誓願寺の裏へ抜けた。あの辺いったいは....
「柳生月影抄」より 著者:吉川英治
……でも。……でも」 「誰に知れても関わぬ。わしは、恋はするが、不義はせぬ。何も
人目を憚ることはない。十兵衛はそちが好きだ」 「ま。……そんな」 「顫えておるな....