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「人立つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

人立つの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幻影の盾」より 著者:夏目漱石
る。頭を蔽う天もなく、足を乗する地もなく冷瓏《れいろう》虚無の真中《まなか》に一人立つ。 「君は今いずくに居《お》わすぞ」と遙かに問うはかの女《おんな》の声であ....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
こぎ》の大きな奴を持って控《ひか》える。これと相対して五六間の間隔をとってまた一人立つ、擂粉木のあとにまた一人、これは臥竜窟に顔をむけて突っ立っている。かくのご....
模倣と独立」より 著者:夏目漱石
こういう風に一般に或《ある》程度まではそうです。往来で空を眺めていると二人立ち三人立つのは訳はなくやる。それで空に何かあるかというと、飛行船が飛んでいる訳でも何....
元禄十三年」より 著者:林不忘
迷惑だった。心配だった。形式的にも、一応は辞退したかった。 饗応役には、正副二人立つのだった。この元禄十三年度の饗応役に、本役には岡部美濃守、添役《そえやく》....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
して独言《ひとりごと》を言って、通る人を不思議がらせ、ついにその周囲へ一人立ち二人立つような有様になった時に気がついて、 「覚えてやがれ」 歯を食いしばったま....
レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
なく開けて、影の如き人々の列、表情なき足どりを以て室内に入り来る。――真先には巨人立つ。(巨人もまた影の如き姿)この一列は室を廻りて下手に半円形を造りて、立ち並....
雪柳」より 著者:泉鏡花
うのへ小走に姿を消した。式台のかかり、壁の色、結構、綺麗さ。花の影、松風の中に一人立つ大工の目を驚かして、およそ数寄を凝らした大名の下屋敷にも、かばかりの普請は....
肌の匂い」より 著者:三好十郎
「ちよつと」というので居間の方へ立つて見ると「先程から、すぐそこの角に變な人が二人立つています。今來ているお客さんと一緒に來た人達のようですけど、とても人相の惡....