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「人置き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

人置きの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蘇生」より 著者:豊島与志雄
倒れてしまった。 皆が集って蒲団の中に寝かしてくれるのを彼は感じた。それから一人置きざりにせられたような寂寥を感じて眼を開くと、右の手首を看護婦の手に握られて....
二つの途」より 著者:豊島与志雄
がら、手指を痙攣的に震わした。彼は木下をすぐ側に呼んで云った。 「僕をこの室に一人置きざりにしてはいけないよ。」 「そんなことをするもんか。」と木下は答えた。 ....
理想の女」より 著者:豊島与志雄
た。 秀子は何とも答えないで、雨戸を閉め切ってしまった。室の真暗な中に、私は一人置きざりにせられたような気がした。その時電気が来た、俄に明るくなった。私達は互....
初秋海浜記」より 著者:豊島与志雄
に孤立した旅館では、滞在客がいつのまにか帰り去ってしまって、家の人以外には、私一人置き忘られたように、ぽつねんと居残ってるのだった。 広々とした平地の海浜には....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
こにいると、彼は恐ろしさを忘れてしまうのだったが、しかし時とすると、老人は彼を一人置きざりにして、何も言わずに出かけてしまうことがあった。クリストフはそれに気を....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
襲われた。家に連れて行かれた。意識を失った。寝床の中で気がついた。ちょっとの間一人置きざりにされていたので、恐怖のあまり声をたてた。新たに発作が起こった。また気....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
た。セシルは心配そうな様子をしていたが、こんどは自分も出て行って、クリストフを一人置きざりにした。言い争いがつづいて、聞き知らぬ声は威嚇的になっていった。クリス....
自由人」より 著者:豊島与志雄
返しに過ぎなかったが、それを繰り返すような地位に自分を置いたことが、既に、自分一人置きざりにされたようなものだった。最も実際的なこの行為についても、彼には何等の....
露の答」より 著者:坂口安吾
見ていると、十里四方もつづく満開の桜の森林があって、そのまんなかに私だけたった一人置きすてられてしまったような寂しさを感じます。私は花びらに埋もれ、花びらを吹く....