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「人肉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

人肉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人間灰」より 著者:海野十三
て採集してきた七人目の犠牲者の肉片です) 田熊社長は、電話で話は盗めても、その人肉の入った壜を盗視できないことをたいへん口惜がった。 (もう一つの誤算は……)....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ん鹿が落した血の跡を嗅ぎ廻るといった、黒色猟兵だったのです。いやきっと、あいつは人肉が嗜きなんでしょうよ」 そうして、追及される伸子の体位は、明らかに不利だっ....
死体蝋燭」より 著者:小酒井不木
は決してわしを満足させてくれぬ。あの、したまがりの花の毒々しい色を思わせるような人肉の焼けるにおいは、とても、ほかのにおいでは真似ができぬ。 お前は、わしがこ....
映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
、深刻なためにかえって検閲の剪刀を免れたと見える。 兵隊が帰って来た晩の街頭の人肉市場の光景もかなりに露骨であるが、どこか少しこしらえものらしいところもある。....
戦話」より 著者:岩野泡鳴
よく見ると、うわさに聴いた支那犬やないか? 戦争の過ぎた跡へかけ付けて、なま臭い人肉を喰う狼見た様な犬がうろ付いとる間で、腰、膝の立たんわが身が一夜をその害から....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
かを会得したであろう。身を切る如き絶望の冷たさ、咫尺を弁ぜぬ心の闇、すべてはただ人肉のうめきと、争いとであった。さすがに霊界の天使達も、一時手を降すの術なく、覚....
勉強記」より 著者:坂口安吾
た)にあるのだと確信するより仕方がなかった。実に、暗い。なにかしら、荒涼として、人肉の市にさまようような切なさであった。不自然で、陰惨だった。 按吉は、時々、....
狂人日記」より 著者:井上紅梅
作った「本草何とか」を見ると人間は煎じて食うべしと明かに書いてある。彼はそれでも人肉を食わぬと言うことが説き得ようか。 家のアニキと来ては、全くそう言われても....
地虫」より 著者:小栗虫太郎
だった。おまけに、港々には、春婦宿を経営していたし、大規模な、世界を股にかけた、人肉買売までもやっておった。ところで、その組織を云うと、四人の秘密組合になってお....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
そして、それが実在のバテレンの名に相違ないが、いずれもバテレンが酒顛童子のように人肉を食うというような架空な物語にすぎない。 正しい史実に「切支丹バテレン妖術....
名古屋スケッチ」より 著者:小酒井不木
ので)何のよすがもないとなると、大門を入つて両側に美しくならぶ雪洞にも、たゞもう人肉の切売りといふ、現実の血腥いやうな感じをそゝられるだけである。 汽車の煤煙....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
の跋扈するままに荒され、江戸特有の遊里情調もまた根底から破壊されて殺風景なただの人肉市場となってしまった。蓄妾もまた、勝誇った田舎侍が分捕物の一つとして扱ったか....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
誰一人残酷な 事をしたとは思われぬ。イリオス攻撃の時には、 こっちの英雄達も大ぶ人肉を食ったではないか。 わたしはあの男の大人物な処に目を附ける。頼に しても好....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
うた。すると兎が怒り出した。 「何が、我らが盲従的だ? 貴様こそ、女郎屋商売で、人肉を平常食うていやがって、……貴様こそ獅子や虎に勝る猛獣だ」 そこでまた一喧....
えぞおばけ列伝」より 著者:作者不詳
だ」 そこで魔物の妻は,六つの耳のついた大鍋に水を入れ,火にかけた.そして古い人肉を大片に切って煮た. 俺はそのとき窓から入って,まず,赤いトリカブトの根を....