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人膚
「人膚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
人膚の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ださりましょうゆえ、三之助どのと引き換えに迎えておいで召されい。千萩どのもたんと
人膚にあやかりなさいませよ……」 「えへへ……
人膚たア、うめえことをいったね。ち....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
。とまた得ならず艶な、しかし冷たい、そして、におやかな、霧に白粉を包んだような、
人膚の気がすッと肩に絡わって、頸を撫でた。 脱ぐはずの衣紋をかつしめて、 「お....
「元禄十三年」より 著者:林不忘
。 それに、負けず劣らずだった、江戸の御影堂は、坊主ではなかったが、口の荒い職
人膚だった。やはり、一風かわった人物だった。 辰馬が、吉良家から来たといって、....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
の目許に、紅の涙を落すを見れば、またこの恋も棄てられず。恐怖と、恥羞に震う身は、
人膚の温かさ、唇の燃ゆるさえ、清く涼しい月の前の母君の有様に、懐しさが劣らずなっ....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
。その姿の優しいこと、気高いこと、尊いこと、清いこと、この水に向うて立ちますと、
人膚が背後から皮を透して透いて見えます位、急にも流れず、淀みもしませず、浪の立つ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
うちにその全面に射し込んで来て、幾年の風雨に曝らされて朽ちかかった縁板も、やがて
人膚ぐらいの温みを帯びるようになる。 その温みを慕って来たものか、綴じ合せた縁....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
麗かな、樹も、草も、血があれば湧くんでしょう。朱の色した日の光にほかほかと、土も
人膚のように暖うござんす。竹があっても暗くなく、花に陰もありません。燃えるように....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
、さ、とお絹の褄捌きが床を抜ける冷たい夜風に聞えるまで、闃然として、袖に褄に散る
人膚の花の香に、穴のような真暗闇から、いかめの鬼が出はしまいか――私は胸を緊めた....