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人臭い
「人臭い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
人臭いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
の葉の上には鶺鴒《せきれい》が一羽尾を振っていた。しかし彼女はそんなことよりも病
人臭い「離れ」の中から何か気味の悪いものがついて来るように感じてならなかった。
....
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
から棒が二本あるのだ」 忠「成程、それからウシのキモ」 穗「ウシのキモでは素
人臭い、牛胆《ぎゅうたん》」 忠「それからカシワゴ」 穗「カシワゴではない柏....
「新生」より 著者:島崎藤村
の言葉を出して言うと、次郎はそれを父親の方へも持って行った。
「何だかこの本は異
人臭い」と一郎は叔父の土産を嗅《か》いで見て、笑い出した。
「子供は何か食うもの....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
うに緊張を解くと、静かに始めた。 「大変有力なお説です。だがここでひとつ、私の素
人臭い反駁をさして貰いましょう。でその前にもう一度申上げて置きますが、あの泡の吃....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
根は痩せていて、杉の木が生えているところもあり、そのうえ北側は割合眺望がきくので
人臭い感じがする。陣鉢山の頂きに立ったのは午後六時頃であった。頂上では木が繁って....
「青服の男」より 著者:甲賀三郎
心臓が弱かったですか」 「それがね、丸で嘘見たいなんですよ。顔色は蒼白くって、病
人臭い所はありましたが、とても元気な人で、押が強くて、つまり心臓が強いんでしょう....
「四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
解にかかったが、ふッと中心を失って今は恩人の死骸の胸へ伏倒りかかった。如何にも死
人臭い匂がもう芬と鼻に来る。 飲んだわ飲んだわ! 水は生温かったけれど、腐敗し....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
て。 三の烏 や、待つといえば、例の通り、ほんのりと薫って来た。 一の烏 おお、
人臭いぞ。そりゃ、女のにおいだ。 二の烏 はて、下司な奴、同じ事を不思議な花が薫....
「売春婦リゼット」より 著者:岡本かの子
以上」は、つまり一度|貞操を売物にした以上は、今さら宿命とか身の行末とかそんな素
人臭い歎きは無い。ただ鏡がものを映し窓掛けが風にふわふわ動く。そういうあたりまえ....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
、俯向きざまに、面をぱくぱく、鼻の穴で撓める様子が、クン、クンと嗅いで、 (やあ
人臭いぞ。) と吐きそうな。これがさ、峠にただ一人で遣る挙動じゃ、我ながら攫わ....
「スポーツ・文学・政治」より 著者:坂口安吾
るが、あれは書かなくてもいゝことに正確だ。もっと簡単でなければいかん、あれじゃ素
人臭いよ。それに「戦争物」を書くにしても、あんなに書くのは賛成じゃない。戦争もの....
「美音会」より 著者:佐藤垢石
た頭を前の方へ伸べて平たく座って見台を眺めたところを見ると吉備舞と異なって急に芸
人臭い感じがした。渋い喉で蝉丸の山入が始まる。『一中は親類だけに二段きき』という....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
女道楽・明治初年の廃頽的空気 負け嫌いの椿岳は若い時から誰でも呑んで掛って人を
人臭いとも思わなかった。その頃横山町に家内太夫という清元のお師匠さんがあった。椿....
「魔性の女」より 著者:大倉燁子
で桃子は気おくれして、入りそびれていると、客の気配を聞きつけて、奥から出て来た素
人臭い女中に案内され、多摩川砂利を踏んで、右手の朱雀門から庭の茶席へ通された。 ....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
を想像して、私達の胸に秘められた荒らかな、そして美しい大窓の別天地は、其の余りに
人臭いのに少なからず興趣を殺がれざるを得なかった。突然地の底から大砲でも放ったよ....