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人血
「人血〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
人血の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
たしかに人の寝ていた形跡があるが、ポントスは見えない。尚もよく調べると、床の上に
人血の滾れたのを拭いた跡が二三ヶ所ある。外にもう一つ可笑しいことは、室内にはポー....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
のような迷執を持ちはじめた丹下左膳、ただ、壺を手にすればいいのだ。いや、濡れ燕に
人血を浴びさせればいいのだ。ひょうひょうとして左膳はたちさって行きます。 七 ....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
せて、おかしくもなく、台所がかたりと鳴れば、鼠か、小豆に糞されてはたまらぬ、と二
人血相かえて立ち上り、秋の紅葉も春の菫も、何の面白い事もなく、猿の吉兵衛は主人の....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
々|点かないのを漸うの事で蝋燭を点して、 照「何うしたの」 と見ると若い男が一
人血に染って倒れて居り、また一人の娘を膝の下へ引敷いて居りますから。 照「こりゃ....
「シベリヤに近く」より 著者:里村欣三
が後列の苦力を、拳銃で輜重車の上に追いあげていた。その脚元には、傷ついた苦力が二
人血だらけになって、埃りっぽい土を手足で掻き廻していた。 ぱッ! ぱッ! ....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
平素《ふだん》は思料深い小一郎ではあったが、怒りでそれさえ失ってしまった。 「三
人血祭りに叩っ切り、その上で家内へ切って入り、桔梗様をこっちへ取り返してやろう」....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
棺桶のなかから、凝血を採集していって、それを顕微鏡の下で調べるところから、それは
人血にまぎれもないことが分るとともに、その中からグリコーゲンを多分に含んだ表皮細....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
ゃあねえ。戦争の最中に支那が小児を殺したってあんな騒をしやあしまい。たちまち五六
人血眼になって武者振つくと、仏敵だ、殺せと言って、固めている消防夫どもまで鳶口を....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
ばらと四、五人の人影が躍り出て、咬閃《こうせん》入り乱れて左膳を包んだ。
が、
人血を求めてひとりでに走るのが乾雲丸だ。しかも! それが剣鬼左膳の手にある!
....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
思いきり人が斬られる……と聞いて、おどりあがってよろこんだのは、左膳だ。しばらく
人血を浴びないで、腕がうずうずしているところへ、しかも相手は、西国にさる者ありと....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
護摩壇であった。今、祈った仏は、呪詛の仏であった。
壇上の品々――人髪、人骨、
人血、蛇皮、肝、鼠の毛、猪の糞、牛の頭、牛の血、丁香、白檀、蘇合香、毒薬などとい....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
砂漠《さばく》などでは、毒の蕾を持ったこの嗜人草が砂を離れ、群をなして風に乗って
人血の香をさがして吹いてくるので、この毒草の風幕に包まれて、数百人から成る一隊商....
「呪われの家」より 著者:小酒井不木
か。現に、殺されるとき、「人殺しーい」と叫んだではないか。 第二に平岡が、なぜ
人血を袖につけて居るか? 先刻、訊問の際注意して見ると平岡は男に似合わず乳房が大....
「新案探偵法」より 著者:小酒井不木
て居る血痕のにおいによって条件反射を起すのではないかと気附いたので、念のために、
人血を新らしい手袋に塗って、犬に嗅がせて見ました。それによって、条件反射を起しは....
「日本の民衆と「日本的なるもの」」より 著者:戸坂潤
譬喩も、同じく日本民衆故の鍵の一つである。逆に日本民衆というものが日本民族や日本
人血統の解説に奉仕する鍵なのではない、とそう私は好意的に理解している。つまり民族....