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「人買い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

人買いの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
から、こいつやり口のしっぽをちっとものこさねえあたりからいって、ただの人さらいや人買いのしわざじゃねえなとにらみましたからね、けさご番所へ来てみるてえと、まだだ....
山椒大夫」より 著者:森鴎外
と高札《たかふだ》が立っています。それにくわしく書いてあるそうですが、近ごろ悪い人買いがこの辺を立ち廻ります。それで旅人に宿を貸して足を留めさせたものにはお咎《....
クチマネ」より 著者:海若藍平
んに飛び付きましたが、春夫さんはしっかり両手で掴んで、 「嫌だ嫌だ。この支那人は人買いです。お巡査さん、捕《つか》まえて下さい」 と泣きわめいてどうしても離し....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
ど前、乳母を連れて清水寺に参詣に参った帰路、人形使いに身を※した恐ろしい恐ろしい人買いに誘拐されたのでございます」 「おおさようか、益※気の毒、さぞ両親が案じて....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
欺《あざむ》き、急にこの男の家へつれて来たとのこと、そこへつれて来ると共にお松を人買いの手に売り渡したこと、その売渡し先は京都の島原《しまばら》であること、わざ....
鴉片を喫む美少年」より 著者:国枝史郎
家の娘だったということだ。が、今はこの国における、二つの大きな秘密結社――殺人、人買い、掠奪、密輸入、あらゆる悪行をやりながら、不断の貧民の味方として、かつ貧民....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
ものがないから珍らしくもあり、一俵買いの出来ない人々は便利な事でございますから一人買い人買い、十人百人と好いことは忽ちに広まり、彼処此処で計り炭屋々々というよ....
奥の海」より 著者:久生十蘭
の浦に時知らずにくじらが寄るようになり、妓楼百軒という繁昌で、米のない土地から、人買いに買い出された女どもが、おおよそ千人ほども流れこんでいる。 金十郎は宮古....
夕焼け物語」より 著者:小川未明
、ものすごい光景が動いて見ました。よくおばあさんや、おじいさんから話に聞いている人買い船に姫さまがさらわれて、白帆の張ってある船に乗せられて、暗い、荒海の中を鬼....
子供の時分の話」より 著者:小川未明
うちに、おじいさんは孔の中を真っ暗にしてしまいました。 「さあ、これから二人が、人買い船に乗せられて沖の島へやられるところ、もっと先までいくと見せますよ。さあ、....
私本太平記」より 著者:吉川英治
あった。 それだけに、西園寺家では「――いかなる悪党の仕わざか。もしや野伏から人買いの手にでも渡されてか?」などと、全家の憂いをあげて、八方せんぎの手をつくし....
私本太平記」より 著者:吉川英治
者がいない……母者を捜して」と、手放しでオイオイ泣き出していたのだった。 「や、人買いか」 「かどわかしらしい」 「かわいそうに、この迷い子、どこの曹司やら?」....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
で行け! 私はあり金をはたいて香港行きの汽船に乗込んだ。この船の中で、私は初めて人買いの阪大佐太郎に会ったのである。 島貫兵太夫氏のチベット入りの一行に加わっ....