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「人近〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

人近の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
は柔道の道場を思わせる、広い畳敷の病室だった。そうしてその畳の上には、ざっと二十人近い女の患者が、一様に鼠《ねずみ》の棒縞の着物を着て雑然と群羊のごとく動いてい....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
に気がつくとその足ですぐ神社をさして急いだ。 集会所には朝の中《うち》から五十人近い小作者が集って場主の来るのを待っていたが、昼過ぎまで待ちぼけを喰《く》わさ....
奈々子」より 著者:伊藤左千夫
《た》いて、裸体《らたい》の死児《しじ》をあたためようとしている。入口には二、三人近所の人もいたようなれどだれだかわからぬ。民子、秋子、雪子らの泣き声は耳にはい....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ばけばしい色旗が、活動小屋の前のように立てならべてある。そして気のきいた手代が十人近くも忙しそうに働いている。君はこの大きな臨時の店が、岩内じゅうの小売り商人に....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
い、辞退。席貸をと思いましたが、やっぱり夜一夜じゃ引退るんです。第一、人数が二十人近くで、夜明しと来ては、成程、ちょっとどこといって当りが着きません。こりゃ旅籠....
間諜座事件」より 著者:海野十三
発見されまいぞ」 「あのなかは敵の密偵で一杯なんだろうな」 「毎夜、観客の中に百人近くの密偵が交っているということだ。そして何か秘密の方法で、舞台上の首領と通信....
ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
カフェ・ゴールデン・バットの女にもてること大変なものだった。金が入って来ると、十人近い女は自分の持ち番の客の有る無しに係らず、ドッと喚いて一斉に彼に飛びついてゆ....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
あそこなら大丈失ですから」教えてやると、昔ぞろぞろと家の庭を通って姿を消した。十人近い同勢である。松原大佐夫人が無言で、小さい身体を一行のあとに運んでいるのを見....
火星兵団」より 著者:海野十三
だすんだ」 奥で顔をあらっていた店員たちも、どっと店にとび出した。そうして、十人近い人数で、一人の丸木をとりまいた。 だが、丸木はすこしも、ひるまない。長い....
崩れる鬼影」より 著者:海野十三
でしょう。いま扉を押して見て駭きました。なんでもそのときの気配では、婦人の外に十人近くの人間がウヨウヨと蠢いているのを直感しました。 「オヤッ」 一体この大勢....
空襲警報」より 著者:海野十三
トホームに駈けあがり、そこに停車していた列車にわれがちに乗りこんだが、そこでも百人近い死傷者が出た。 列車の中にはいれない人は、窓の外にぶら下り、屋根の上によ....
鷭狩」より 著者:泉鏡花
―宵に受持の女中に聞くと、ひきつづき二十日余りの間団体観光の客が立てつけて毎日百人近く込合ったそうである。そこへ女中がやっと四人ぐらいだから、もし昨日にもおいで....
海の使者」より 著者:泉鏡花
いや、磯でもなし、岩はなし、それの留まりそうな澪標もない。あったにしても、こう人近く、羽を驚かさぬ理由はない。 汀の蘆に潜むか、と透かしながら、今度は心して....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
足の爪を、烏の嘴のごとく上から覗かせて、真背向に腰を掛けた。 「姓は郡です……職人近常の。……私はその伜の多津吉というんだよ。」 「ああ多津吉さん。」 その肩....
まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
こでわれわれは裏山に逃げたが、結局警察に捕って保護検束されてしまった。すると、百人近い坑夫が揃って警察に押しかけて来て、君たちの生命を警察が保障できないなら、俺....