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人通り
「人通り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
人通りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
。少年はこちらへ後《うし》ろを見せたまま、この往来を歩いて行《ゆ》く。往来は余り
人通りはない。少年の後ろから歩いて行く男。この男はちょっと振り返り、マスクをかけ....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
う風はない。まして、日の光に照りつけられた大路には、あまりの暑さにめげたせいか、
人通りも今はひとしきりとだえて、たださっき通った牛車《ぎっしゃ》のわだちが長々と....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
赤らんだり、一層風流に見えるのだった。のみならずこの家のある横町も殆《ほとん》ど
人通りと云うものはなかった。豆腐屋さえそこを通る時には荷を大通りへおろしたなり、....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
の方へやっていても、耳は橋の上の二人の話を、じっと聞き澄まして居りますと、向うは
人通りもほとんど途絶えた、日盛りの寂しさに心を許したのでございましょう。私の甥の....
「影」より 著者:芥川竜之介
。」
カッフェの外《そと》のアスファルトには、涼しい夏の夜風が流れている。陳は
人通りに交《まじ》りながら、何度も町の空の星を仰いで見た。その星も皆今夜だけは、....
「河童」より 著者:芥川竜之介
よう。」
僕はしょげ返ったラップといっしょにもう一度往来へ出ることにしました。
人通りの多い往来は相変わらず毛生欅《ぶな》の並み木のかげにいろいろの店を並べてい....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
日までの勘定をすませた後、勢いよく旅籠《はたご》の門《かど》を出た。
外はまだ
人通りがなかった。二人はそれでも編笠に顔を包んで、兼ねて敵打の場所と定めた祥光院....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
《ふた》つ目《め》の往来《おうらい》は、いくら寒い時分でも、押し合わないばかりの
人通りだ。これはお蓮の跡をつけるには、都合《つごう》が好かったのに違いない。牧野....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
たが、ふと向うを眺めたと思うと、突然相手も忘れたように、飾り窓の前を飛び出した。
人通りも疎《まばら》な往来には、ちょうど今一台の人力車《じんりきしゃ》が、大通り....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
台のような物が一つ――そのほかには、何も持っていない。
天気がいいと、四つ辻の
人通りの多い所に立って、まず、その屋台のような物を肩へのせる、それから、鼓板《こ....
「蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
多い本通りの角に佇《たたず》んでいた。家の多い? ――しかし砂の乾いた道には殆ど
人通りは見えなかった。
「K君はどうするの?」
「僕はどうでも、………」
そこ....
「少年」より 著者:芥川竜之介
たから。では――」
宣教師はまた前のように一同の顔を見渡した。自働車はちょうど
人通りの烈しい尾張町《おわりちょう》の辻に止まっている。
「では皆さん、さような....
「運」より 著者:芥川竜之介
ようす》は仕事場にいても、よく見えた。清水《きよみず》へ通う往来は、さっきから、
人通りが絶えない。金鼓《こんく》をかけた法師《ほうし》が通る。壺装束《つぼしょう....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
伯母は日の暮れになると、かわるがわる門の側へ行き、この小さい郵便箱の口から往来の
人通りを眺めたものである。封建時代らしい女の気もちは明治三十二、三年ころにもまだ....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
、影も形も見当りません。その代り空の月の色は前よりも猶白くなって、休みない往来の
人通りの上には、もう気の早い蝙蝠が二三匹ひらひら舞っていました。 杜子春は一日....