人道[語句情報] »
人道
「人道〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
人道の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
ことを真面目に思う――こういうとんちんかんな習慣です。たとえば我々人間は正義とか
人道とかいうことを真面目に思う、しかし河童はそんなことを聞くと、腹をかかえて笑い....
「路上」より 著者:芥川竜之介
ば本望なんですが――どうせ我々の書く物なんぞが、売れる筈はありゃしません。何しろ
人道主義と自然主義と以外に、芸術はないように思っている世間なんですから。」
「そ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
も死よりは強い証拠である。食慾の外にも数え挙げれば、愛国心とか、宗教的感激とか、
人道的精神とか、利慾とか、名誉心とか、犯罪的本能とか――まだ死よりも強いものは沢....
「片信」より 著者:有島武郎
会|矯正《きょうせい》の規矩《きく》標準をもってみずから任じていた中流知識階級の
人道主義者」を三種類に分け、その第三の範囲に、僕を繰り入れている。その第三の範囲....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
誠にけっこうなことだ。だから我々もよろしくその真似をしなければならぬ。正義だの、
人道だのということにはおかまいなしに一生懸命|儲《もう》けなければならぬ。国のた....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
これはもとより当然のことと言わなければならない。 顧みて過去数世紀の経過の間に
人道の発達もまたますます急速な歩を進めてきたことを知るのは誠に喜ばしいことである....
「映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
て着手された日本映画協会は創立されてもう一年近くにもなるが、いまだかつて同協会が
人道的な意味から四社連盟の存在を検討したという話を聞かない。それどころかむしろ彼....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
たくさんの発狂者が出たのであろうか。僕は、ベラン氏のことを思い出した。 「それは
人道に反する。発狂者とて、まだ生きているのではないか。生きているものをむざむざと....
「転機」より 著者:伊藤野枝
いえば、一時は有力な社会主義者として敬意を払われた人である。創作家としても、その
人道的な熱と情緒によって多くの読者を引きつけた人である。 「へえ、Kさん? ああ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
中洲へ魔手が伸びているのに。」 「私は中洲が煮て喰われようが、焼いて……不可い、
人道の問題だ。ただし、呼出されようが、出されまいが、喰わそうが喰わすまいが、一雪....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
と眼を蔽うた。 立花は目よりもまず気を判然と持とうと、両手で顔を蔽う内、まさに
人道を破壊しようとする身であると心付いて、やにわに手を放して、その手で、胸を打っ....
「「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
リズムである。 菊池寛の感想を集めた「文芸春秋」の中に、「現代の作家は何人でも
人道主義を持っている。同時に何人でもリアリストたらざる作家はない。」と云う意味を....
「岩波文庫論」より 著者:岩波茂雄
人の望むところであるにもかかわらず、世界の至るところで闘争が行なわれている。正義
人道は常に叫ばれても、われわれの良心を満足さすべき事実は至って乏しい。わが国にお....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
けるための金儲けであって、金を以て始まり金を以て終るが、二葉亭の金儲けは何時でも
人道または国家の背景を背負っているのが不用意の座談の中にも現われていたから、実業....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
ど黎明らしくなっている。空はしらむ。目に見えない湿気が上からちぎれて落ちて来る。
人道の敷瓦や、高架鉄道の礎や、家の壁や、看板なんぞは湿っている。都会がもう目を醒....