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人間味
「人間味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
人間味の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
は一笑に附しただけであった。ドレゴは不満であった。東洋人というやつは、なぜにこう
人間味がなくて枯れ木のようなんだろうと。 エミリーに一度会ってやることを薦《す....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。ことにお咲をおどかした遺り口といい、佐兵衛を襲った手段といい、妖怪がだんだんに
人間味を帯びて来たことは誰にもうなずかれた。権太郎以外のいたずら者がこの町内へ入....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
間を使うのは惜しいことである、これには動物一匹あればたくさんである、という、甚だ
人間味のある返答をした。そこで鵝鳥を一羽連れてきて、その首を切り放して室の一方に....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
に訴えるものは、伎倆というよりは精神であり、技術というよりも人物である。呼び声が
人間味のあるものであれば、それだけにわれわれの応答は衷心から出て来る。名人とわれ....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
りの不用意と見るべきで、そこに人間としての彼を見る事が出来るではないか。もし彼が
人間味のない冷血漢であって、支倉の自白に多少でも強制の痕がある事を認めたら、恐ら....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
―四の四) といってる。あなたの宗教には肉の匂いと煩悩の痕と疑惑の影とがない。
人間味が乏しい。あなたの善はあまりに狭くして固定している。流動の趣きと野生の姿が....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
ところへ、いってみよう」 「ああ、そうしよう。現在、われわれ旧イネ国の亡民には、
人間味なんて、むしろ無い方が、生活しよいのだ。一匹の甲虫が、大きな岩に押し潰され....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
臭い、おきき苦しい事実ばかり申上げることになりそうでございます。――ナニその方が
人間味があって却って面白いと仰っしゃるか……。御冗談でございましょう。話すものの....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
教理がここで主なる関心ではなく、彼の信念、活動の歴史的意義、その人格と、行状と、
人間味との独特のニュアンスとが問題なのである。 日蓮の性格と行動とのあとはわれ....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
と出るので、親兵衛武勇談はややもすれば伏姫|霊験記になる。他の犬士の物語と比べて
人間味が著しく稀薄であるが、殊に京都の物語は巽風・於菟子の一節を除いては極めて空....
「衰えてきた日本料理は救わねばならぬ」より 著者:北大路魯山人
れたそうです。そのため、井上侯を今日より考えてみると、まったく余人に求められない
人間味があるように思えます。そこに人間としてのおもしろさが閃めいているように思え....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
いるような点で、人としては俊成と対蹠的であったといってよい。隔てなくしたしめる、
人間味のゆたかな人のように感じられる。そんな点が西行の人気を断然他の歌人よりも高....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ほど、この事は人間についても言われます。苦労をしない人よりは、苦労をした人の方が
人間味が深いのであります。いわゆる、お坊っちゃん、お嬢ちゃんは、魚にすればどこか....
「俗臭」より 著者:織田作之助
の間の事だ。女郎になっている義妹と床を同じくして一夜を明かした時千恵造が発揮した
人間味に就ては記述をさける。大阪に帰ると、彼は道頓堀や千日前のカフェーを飲み歩い....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
のふところにはさまざまの茸が生えていて私の訪うのを待っていて呉れる。この茸は全く
人間味を離れて自然の純真な心持を伝え、訪問者をして何時の間にか仙人化してしまう。....