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「人間界〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

人間界の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
で完全な自然な姿を見せているではないか。若し自然にあの絢爛な多種多様があり、独り人間界にそれがなかったならば、宇宙の美と真とはその時に崩れるといってもいいだろう....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
簡単な吟味にも堪えないものであった。すなわち、それは太陰や諸遊星の位置が自然界や人間界にかなりな影響を及ぼすと考えたことである。諸天体は神々であるとの信仰のため....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
の人々の難渋ごときはいささか気にも留めませぬに、海のお世子であらせられます若様。人間界の迷惑など、お心に掛けさせますには毛頭当りませぬ儀でございます。 公子 (....
紅玉」より 著者:泉鏡花
ままだ。俺はただ屋の棟で、例の夕飯を稼いでいたのだ。処で艶麗な、奥方とか、それ、人間界で言うものが、虹の目だ、虹の目だ、と云うものを(嘴を指す)この黒い、鼻の先....
革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
あります。 それが紫に緋を襲ねた、かくのごとく盛粧された片袖の端、……すなわち人間界における天人の羽衣の羽の一枚であったのです。 諸君、私は謹んで、これなる....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
から時々、三日、五日、多い時は半月ぐらい、月に一度、あるいは三月に二度ほどずつ、人間界に居なくなるのが例年で、いつか、そのあわれな母のそうした時も、杢若は町には....
南地心中」より 著者:泉鏡花
さあ、のの様の方へ行こか。」と云って、手を引いて、宮の方へ徐々帰った。その状が、人間界へ立帰るごとくに見えた。 池は小さくて、武蔵野の埴生の小屋が今あらば、そ....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
うであったが、その代りに又、何ひとつ言おうというような意思もなかった。彼はまるで人間界とは没交渉な、ほかの生物かと思われるほどに冷やかな顔をしていた。 多くの....
星女郎」より 著者:泉鏡花
えますよ。) (ほとんど仙境。) と私は手を支いて摺って出ました。 (まるで、人間界を離れていますね。) ……お先達、私のこう言ったのはどうです。」 急に....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
はないでしょうか……。』 『決してそうではない。』とお爺さんは飽まで真面目に、『人間界に伝わる、あの竜宮の物語は実際こちらの世界で起った事実が、幾分尾鰭をつけて....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
情……若し汝にしてその実情に接触せんか、初めて闇の魔群の、いかに戦慄すべき害毒を人間界に流し得るかを会得したであろう。身を切る如き絶望の冷たさ、咫尺を弁ぜぬ心の....
山吹」より 著者:泉鏡花
り極端な事をしては不可い。 夫人 (吻と息して)私、どうしたんでございましょう、人間界にあるまじき、浅ましい事をお目に掛けて、私どうしたら可いでしょうねえ。(ヒ....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
「お悦さん……」 「…………」 「……火の羽衣を舞おう。もう一度舞台に立って、人間界に降りた天人を、地獄、餓鬼、畜生、三途まで奈落へ堕して、……といって、自殺....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
じゃなし、近常小父さん。――その向うに、こんな夜更には、水の妖精が、面を出して、人間界を覗く水目金のような、薄黄色な灯が、ぼうとして、(蕎麦アウウ……)――と呼....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
金蛇の隠現する如きを見るのみにして、樹林無く、屋舎無く、人語馬声無く、一刻一刻、人間界より遠ざかる。唯、蚊の襲来の多からざると、涼風衣袂に満ちて、日中の炎塵を忘....