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「人離れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

人離れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
老妓抄」より 著者:岡本かの子
させられているように見えた。 はじめは軽蔑《けいべつ》した超然とした態度で、一人離れて、携帯のライカで景色など撮《うつ》していたが、にわかに柚木に慣れ慣れしく....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
、奥から身体の大きなキチンとしたタキシードをつけた男が現れた。彼はどことなく日本人離れがしていた。それも道理だった。彼はオトー・ポントスと名乗るギリシア人だった....
旅日記から」より 著者:寺田寅彦
着た色の白い鼻の高い若い女は沈鬱な顔をしてマンドリンをかき鳴らしている。船首に一人離れて青い服を着た土人の子供がまるで無関係な人のようにうずくまっていた。このよ....
Liber Studiorum」より 著者:寺田寅彦
る人がらであった。しかるに二人の話し合っている姿態から顔の表情に至っては全く日本人離れがしている。周囲のおおぜいの乗客はたった今墓場から出て来たような表情である....
流線間諜」より 著者:海野十三
え、ようござんすとも。……では、出して来ましょう」 そういって大江山課長は、一人離れて、屍体の方に近づいた。そして跼んで、なにかゴソゴソやっていたが、なかなか....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
かえそうたって、海が合点するものではねえと、大丈夫に承合うし、銑太郎もなかなか素人離れがしている由、人の風説も聞いているから、安心して乗って出た。 岩の間をす....
恩人」より 著者:豊島与志雄
来た。其処に先刻叔父が話した尼僧の生活と云ったようなものがあるように思えた。只一人離れてじっと何か淡々しいものに浸り乍ら眼を見開いていたい、というふうな感情が彼....
端午節」より 著者:井上紅梅
るのもいやだし、また見たいとも思っていない。この気癖が時に依ると、自分ながらも一人離れて偉く見えるが、同時に実は本領がないのじゃないかと疑うことがある。 誰も....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
来た。主税はあやめを引っ抱えて、木立の陰へ隠れたのであるが、どうしたのかお葉は一人離れて、亭の方へ忍んで行った。声をかけて止めようと思ったが、声をあげたら敵の者....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
捉えようとしている。気に入りませんね! 気に入りませんとも」 ――で金兵衛は一人離れて、屋台店をのぞいたり、私娼宿の女をからかったり、賭場に立ち入って見物をし....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
た)。私は審査員として山崎氏の作を見た時、なかなか傑作であるが、惜しいことには素人離れがしておらぬ。つまり、道具の拵え方が鈍くて、水ばなれがしないので、何んとな....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
たような様子を顕わして涙を流しながら帰って行きました。その時にその男の話に兄弟三人離れ離れになって居ったけれども、後に一緒になって安全に故郷に帰って皆無事で暮し....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
一の銅山王に仕立て上げたような人は、すること為すこと考えていることやっぱり、日本人離れのした肝の大きなものだな! とつくづく舌を捲かずにはいられなかったのです。....
女強盗」より 著者:菊池寛
と、自分と同じような姿をした者が二十人ばかりいた。それとは別に、首領らしい男が一人離れて立っていたが、色白く小柄な男であるがこの男の前に皆|畏っていた。外に、手....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ト あれ、あそこに 美しい、色の蒼い娘が一人離れているだろう。 歩くにひどく手間の取れるのを見ると、 両足を繋がれているの....