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「人音〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

人音の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
》を蒸《む》らせている。一度ずっと遠い空に汽船の笛《ふえ》の響いたぎり、今はもう人音《ひとおと》も何もしない。あの汽船はとうに去ったであろう。赤濁《あかにご》り....
十円札」より 著者:芥川竜之介
またポケットの底の六十何銭かを考えはじめた。…… 十一時半の教官室はひっそりと人音《ひとおと》を絶やしている。十人ばかりの教官も粟野さん一人を残したまま、こと....
神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
た。彼の耳には神々の声が、未だに鳴り響いているようだった。が、あたりを見廻すと、人音《ひとおと》も聞えない内陣《ないじん》には、円天井《まるてんじょう》のランプ....
」より 著者:芥川竜之介
たような何とも知れない怪しい物が、じっと蟠《わだかま》って居りましたが、たちまち人音《ひとおと》に驚いたのか、ずるりとそのとぐろをほどきますと、見る見る池の面《....
空中墳墓」より 著者:海野十三
怪振動こそは今から二十二三年前に、ジョン・ホプキンス大学のウッド博士が発明した殺人音波の変形応用なのです。ここに相良氏のプロペラ設計書類があります。ウッド博士の....
」より 著者:海野十三
器は、いかなる種類のものか、ハッキリしないのであるが、中に一つ探りあてたのは、殺人音波に関するものだ。耳に聞えない音――その音が、一瞬間に人間の生命を断ってしま....
詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
」と言ってる。たとえばショパンや、ベートーベンや、ドビッシーやは、常に一般から詩人音楽家と呼ばれている。そしてハイドンや、バッハや、ヘンデルやは、そう呼ばれてい....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
お》をやっている」 全く珍しいことです。日本アルプスの麓《ふもと》の、ほとんど人音《ひとおと》絶えた雪の中で、よし温泉場とはいいながら、不意に太棹の音を聞かせ....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
すこともなし 〔巻二・一八四〕 日並皇子宮の舎人 あさ日照る島の御門におぼほしく人音もせねばまうらがなしも 〔巻二・一八九〕 同 日並の皇子尊に仕えた舎人等が....
人魚のひいさま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
て、手をとりあって、きらびやかな天幕のなかへはいりました。 船の上は、ひっそり人音もなくなりました、ただ、舵とりだけが、あいかわらず、舵をひかえて立っていまし....
織田信長」より 著者:坂口安吾
いると、一抱えほどの黒い胴体が堤の上にあり、首は堤をこえて池の中へもぐっている。人音に首をあげたのを見ると、鹿の顔みたいなものに目玉が星のように光り、紅の舌がこ....
随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
んのメモ代わりに書きつけておいてみよう。 初代圓太郎――江戸湯島住。二世圓生門人音曲をよくす。圓朝の父。 二代圓太郎――圓朝門下、三世圓生。 三代圓太郎――大....
レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
諸国の騎士、音楽家を呼び集める手段として、あの女子を勝利の贈物に致したのだ。幾百人音楽家は集り来るかは知らぬけれど、その人々の中の最後の勝利者には、月桂冠に添え....
二十歳のエチュード」より 著者:原口統三
僕は偉大さを警戒した。 超人は不潔な偶像である。 *177 一素人音楽愛好家の告白。 ――九つの交響楽は確かに偉大ですし、私を圧倒します。しか....