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人魂
「人魂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
人魂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
た提灯の蝋燭が煮えまして、ぼんやり灯を引きます。(暗くなると、巴が一つになって、
人魂の黒いのが歩行くようね。)お艶様の言葉に――私、はッとして覗きますと、不注意....
「海異記」より 著者:泉鏡花
右衛門爺さまが胴の間で、苫の下でいわっしゃる。 また、千太がね、あれもよ、陸の
人魂で、十五の年まで見ねえけりゃ、一生|逢わねえというんだが、十三で出っくわした....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
張、宙釣りの丸行燈、九本の蝋燭、四ツ目の提灯、蛇塚を走る稲妻、一軒家の棟を転がる
人魂、狼の口の弓張月、古戦場の火矢の幻。 怨念は大鰻、古鯰、太岩魚、化ける鳥は....
「地球盗難」より 著者:海野十三
ちの二匹が集団をスーッと離れると、いきなり大隅の覗いている戸口の方へ向け、まるで
人魂のように飛んできた。 「呀ッ!」 と、大隅が声をあげたときは、もう既に遅か....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
出所だけで、他は真っ暗である。夜に入っては往来も少ない。ときどきに人力車の提灯が
人魂のように飛んで行くくらいである。 しかも其の時は二百十日前後の天候不穏、風....
「ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
でもないのよ。東助さんの方の宿題論文はなんというの」 「僕のはね、『空飛ぶ円盤と
人魂《ひとだま》の関係について』というんだ」 「空飛ぶ円盤と
人魂の関係? まあ、....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
人 それはそれは、お嬉しい。が、お亀様は人が悪い、中は磐梯山の峰の煙か、虚空蔵の
人魂ではないかい。 亀姫 似たもの。ほほほほほ。 夫人 要りません、そんなもの。....
「古狢」より 著者:泉鏡花
身動ぎに、七輪の慈姑が転げて、コンと向うへ飛んだ。一個は、こげ目が紫立って、蛙の
人魂のように暗い土間に尾さえ曳く。 しばらくすると、息つぎの麦酒に、色を直して....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
持に眠気がさすと、邪魔な灯を肱にかけて、腕を鍵形に両手を組み、ハテ怪しやな、汝、
人魂か、金精か、正体を顕せろ! とトロンコの据眼で、提灯を下目に睨む、とぐたりと....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
隠れに飛びますから、小宮山は驚いて、入り掛けた座敷の障子を開けもやらず、はてな、
人魂にしては色が黒いと、思いまする間も置かせず、飛ぶものは風を煽って、小宮山が座....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
るのに、四角な行燈も肩を円くして、地蔵前を半輪によけつつ通った。……そのあとへ、
人魂が一つ離れたように、提灯の松の下、小按摩の妄念は、列の中へ加わらずに孤影|※....
「異妖編」より 著者:岡本綺堂
ので、いざという場合にも駈け込むところがない。かれはそこに立竦んでしまった。 「
人魂かしら。」と、かれはまたささやいた。 「そうですねえ。」と、熊吉も考えていた....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
んとする地蔵松原――二里余もつづく千代の松原の一部、ここには米一丸の墓があって、
人魂が飛ぶと云われた淋しいあたり、鉄道自殺と云えば地蔵松原を連想する程で、久作さ....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
処で、御意見の鏡とは何事だ。 そうして懐へ入れて持って帰れと来た日にゃあ、私は
人魂を押つけられたように気が滅入った。 しかもお使番が女教師の、おまけに大の基....
「御堀端三題」より 著者:岡本綺堂
門外の派出所だけで、他は真暗である。夜に入っては往来も少い。時々に人力車の提灯が
人魂のように飛んで行く位である。 しかもその時は二百十日前後の天候不穏、風まじ....