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什物
「什物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
什物の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
をまといたいが、仏事のほかは洋服を着用しても苦しくないか。神社仏寺とも古来所伝の
什物、衆庶寄付の諸器物、並びに祠堂金等はこれまで自儘に処分し来たったが、これも一....
「案内者」より 著者:寺田寅彦
行った事がある。黒谷とか金閣寺とかいう所へ行くと、案内の小僧さんが建築の各部分の
什物の品々の来歴などを一々説明してくれる。その一種特別な節をつけた口調も田舎者の....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
寺徳をなす。一人は戒行を保たで、大酒を好み、あまつさへ争論止まず、私多し。ある時
什物を取出し売るを――ひどい奴があったものですな。まるで此寺の雲水そっくりのよう....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
術の表品、源平時代の参考として、かつて博覧会にも飾られた、鎌倉殿が秘蔵の、いずれ
什物であった。 さて、遺憾ながら、この晴の舞台において、紫玉のために記すべき振....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ていました。 この痩所帯《やせじょたい》に金屏風だけが光っている、これはお寺の
什物《じゅうもつ》の一つを貸してくれたもので、緑青《ろくしょう》の濃いので、青竹....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
と澄ました風で居る。 「風呂敷の中は、綺麗な蒔絵の重箱でしたよ。」 「どこのか、
什物、」 「いいえ、その婦人の台所の。」 「はてな、」 「中に入ったのは鮎の鮨で....
「鐘ヶ淵」より 著者:岡本綺堂
むかし豊島郡石浜にあった普門院という寺が亀戸村に換地をたまわって移転する時、寺の
什物いっさいを船にのせて運ぶ途中、あやまって半鐘を淵の底に沈めたので、そのところ....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
、精細に見尽しきれるものではない。ここへ来て、すぐ思い出されたのだが、熊野新宮の
什物は、どうしてああヤツレたり荒びているのか。いや時代的には、古びは当然である。....