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仁侠
「仁侠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仁侠の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「自叙伝」より 著者:大杉栄
さんぶった心の態度を持っていた。この姉さんぶるという態度には、彼女の性格の一種の
仁侠もあるのであるが、しかし彼女がその競争者に対してどうしても持ちたい優越感がそ....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
せよ看板に掲げる場合は、必ず之を社会的に公的なものとしてかかげるのである。そこに
仁侠とか正義とか忠君愛国とかが叫ばれ、それから銘々の気質や仁義や「精神」が社会的....
「マダム貞奴」より 著者:長谷川時雨
ちまえ》も、江戸生れの下町のお嬢さんの所有でなければならない。其処へ養母によって
仁侠《にんきょう》とたんかと、歯切れのよい娑婆《しゃば》っ気《け》を吹き込まれた....
「怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
るほど、その約束を忘れず、わしをかばってくれるのか、ありがたい。わしは、日本人の
仁侠の精神に涙ぐまれる」 「そんなことはありません。僕は、あなたの科学の才能を、....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
の民衆である。美によってアテネ的であり、偉大によってローマ的である。その上にまた
仁侠《にんきょう》である。フランスは自己を惜しまない。他の民衆よりもしばしば、献....
「秦の出発」より 著者:豊島与志雄
る時は夢想詩人だし、或る時は半ば狂気な女をもてあつかってる色男だし、或る時はまた
仁侠の徒だからね。それも上海の仕業だ。もうこんな生活にも倦き倦きしたよ。」 「い....
「二人町奴」より 著者:国枝史郎
のである。 「さようか」と伊豆守打ち案じたが、 「では町奴と申すもの、世上の花!
仁侠児だの」 「御意の通りにございます」 「で近世名に高い、町奴といえば何者かの....
「この握りめし」より 著者:岸田国士
る彼は、親しくそのあこがれの土地を踏み、朝夕上州の自然と人情とに接し、かの進取と
仁侠の精神がどこから生れるのかを早く突きとめたいものと心掛けていた。 だが、E....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
、英雄たちの美徳、人間の行動などが、その主題であった。この男の希望と夢は、人間の
仁侠な冒険好きな恩人として、物語にその名をとどめるような者の一人となることであっ....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
てケガをし、一チョウラの洋服のズボンの膝を半分の余もさいてしまった。 こうして
仁侠に富むデブチャンにだけは益々見放されることがなく、非常に彼を憎みまた軽蔑して....
「三国志」より 著者:吉川英治
関羽が許都にありし頃、朝夕に、彼の心を見て、およそその人がらを知っている。彼は、
仁侠の気に富み、傲る者には強く、弱き下の人々にはよく憐れむ。義のために身を捨て、....