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仁君
「仁君〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仁君の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
を眼の下に見れば、内地を離れる賠償《ばいしょう》には充分なりますねと云ったら、白
仁君も笑いながら、日本じゃとても這入《はい》れませんと云われたくらいである。 ....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
ヒューッと呻って、銃丸が耳をかすめて飛び去った。 「おお、此処にいましたね、漢于
仁君」 いきなり漢青年の背後から声をかけたものがあった。彼はギョッとして、振向....
「謀叛論(草稿)」より 著者:徳冨蘆花
か。どこに不忠の嫌疑を冒しても陛下を諫め奉り陛下をして敵を愛し不孝の者を宥し玉う
仁君となし奉らねば已まぬ忠臣があるか。諸君、忠臣は孝子の門に出ずで、忠孝もと一途....
「李陵」より 著者:中島敦
、この君がある限り、漢の天下は微動だもしない。高祖はしばらく措《お》くとするも、
仁君《じんくん》文帝《ぶんてい》も名君|景帝《けいてい》も、この君に比べれば、や....
「『尚書』の高等批評」より 著者:白鳥庫吉
黄河の特性にして、河畔住民の禍福に關すること極めて大なるもの也。よく之を治するは
仁君ともいふを得べし。然るに『書經』は支那のあらゆる河川が堯の時以來氾濫し居たり....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
そこにいるのは!」 するとはたして、向こう側から、含み笑いの声がして、 「張教
仁君、怖いかね」と、嘲笑いながら訊く者がある。 「怖くもなければ驚きもしない。い....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
て、ことごとく自由を得せしめ、ことごとく幸福を全うせしむることあたわず、いかなる
仁君ありて法律を設くるも、貧富貴賤の人をして、ことごとく同等同量の福利を得せしむ....
「政事と教育と分離すべし」より 著者:福沢諭吉
殃《よおう》を長く社会にとどめることなし。けだし暴君汚吏の余殃かくの如くなれば、
仁君名臣の余徳もまた、かくの如し。桀紂《けっちゅう》を滅して湯武の時に人民安しと....
「三国志」より 著者:吉川英治
れたのは、まったく陶謙の罪ではなく、張※の仕業です。小生は、ゆえなき戦乱のため、
仁君子が苦しめられ、同時に将軍の声望が傷つけられんとするのを見て、悲しまずにいら....
「三国志」より 著者:吉川英治
きない。早く立ち帰ったがよかろう」 「ははは、なるほど、劉玄徳は、うわさに違わぬ
仁君だ……」と、単福はさも愉快そうに手を打って、 「お怒りあるな。実はわざと心に....
「三国志」より 著者:吉川英治
な幸い。……玄徳には忍びきれぬ」 孔明は、そっと嘆じて、 「なるほど、あなたは
仁君でいらっしゃる」と、是非なげに呟いた。 そこへ、取次があった。 「荊州のご....
「三国志」より 著者:吉川英治
の友に、玄徳の高徳を説いた。 「君がそれほど賞めるくらいなら、玄徳はまさしく真の
仁君かもしれない。もとよりお互いに生死を共に誓った仲だ。君のすすめにまかせて城を....