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「仁王〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

仁王の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
1 浅草《あさくさ》の仁王門《におうもん》の中に吊《つ》った、火のともらない大提灯《おおじょうちん》。....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
みそ》めもし見染められもしたと云う次第なのです。何しろ萩寺と云えば、その頃はまだ仁王門《におうもん》も藁葺《わらぶき》屋根で、『ぬれて行く人もをかしや雨の萩《は....
温泉だより」より 著者:芥川竜之介
らば、わたしもこんなことを言いたくはありません。が、棟梁、お前《まえ》さんの靴は仁王様《におうさま》の草鞋《わらじ》も同じなんだから」と頭を下《さ》げて頼んだと....
或る女」より 著者:有島武郎
いほどの強酒《ごうしゅ》な倉地が、こんなに酔うのは珍しい事だった。締めきった戸に仁王立《におうだ》ちによりかかって、冷然とした様子で離れて立つ葉子をまじまじと見....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
、プラオと、ハーローと、必要な種子《たね》を買い調えた。彼れは毎日毎日小屋の前に仁王立《におうだち》になって、五カ月間積り重なった雪の解けたために膿《う》み放題....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ても踏まれても、自然が与えた美妙な優しい心を失わない、失い得ない君の事を思った。仁王のようなたくましい君の肉体に、少女のように敏感な魂を見いだすのは、この上なく....
七宝の柱」より 著者:泉鏡花
のかわり、俥に寒い風が添ったのである。 ――さて、毛越寺では、運慶の作と称うる仁王尊をはじめ、数ある国宝を巡覧せしめる。 「御参詣の方にな、お触らせ申しはいた....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
に据えて、荷物の上へ直すついでに、目で教えたる葭簀の外。 さっくと削った荒造の仁王尊が、引組む状の巌続き、海を踏んで突立つ間に、倒に生えかかった竹藪を一叢隔て....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
やら、太鼓を敲き笛を吹く……本所名代の楽器に合わせて、猫が三疋。小夜具を被って、仁王|立、一斗|樽の三ツ目入道、裸の小児と一所になって、さす手の扇、ひく手の手拭....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
と云うと、抱倒して、 (ああれ。) と震えてもがくのを、しかと片足に蹈据えて、仁王立にすっくと立った。 (用意は宜しい。……縫子さん。) (…………) (……....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
から本堂までは、もう人気もなく、雨は勝手に降って音も寂寞としたその中を、一思いに仁王門も抜けて、御堂の石畳を右へついて廻廊の欄干を三階のように見ながら、廂の頼母....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
のビルジングを、礎から貫いた階子の、さながら只中に当っていた。 浅草寺観世音の仁王門、芝の三門など、あの真中を正面に切って通ると、怪異がある、魔が魅すと、言伝....
寺内の奇人団」より 著者:淡島寒月
で下さるし、御蝋燭も沢山つけて下さる、と悦んで礼をいいましたね。堂守になる前には仁王門の二階に住んでいました。(仁王門に住むとは今から考えたら随分|奇抜です。ま....
遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
、さるにても何にかあらんとわずかに頭を擡ぐれば、今見し処に偉大なる男の面赤きが、仁王立ちに立はだかりて、此方を瞰下ろし、はたと睨む。何某はそのまま気を失えりとい....
式部小路」より 著者:泉鏡花
を憂慮って、立とうとして、酔ってるからよろけたんだそうでがす。 愛の奴は台所へ仁王立ちで、杓呑を遣った。 そこいら、皿小鉢が滅茶でしょう。すぐにその手で、雑....