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仁術
「仁術〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仁術の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
に多かったのである。いろいろな随筆、わけても極《ごく》平凡な明るい意味で、「医を
仁術」と心得ている医師たちの記録には、彼等の職業を極度に攻撃したものが些《すくな....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
ものだ。高価な薬をあたえれば、医者のふところは膨らむが、病家の身代は痩せる。医は
仁術で、金儲け一点張りではいけないなどと云う。それが自然に久松にもきこえましたか....
「般若心経講義」より 著者:高神覚昇
しょう。少なくとも天下の医師は、国手をもって自ら任じてほしいものです。古来「医は
仁術」というのがそれです。医術の極意は、結局、仁です。慈悲です。宗教的愛です。見....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
禄を奉還して、開業医の生活を始めたのが、明治五年であった。爾来こゝに、孜々として
仁術を続け、貧民の施療、小児の種痘なぞ、其数も夥しいものになった。家も相応に富ん....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
出すと、教授は彼が想像していたほどには、こころよく答えなかった。 「神聖なるべき
仁術の教授が……」と、ピエトロ・バグリオーニ教授は、ジョヴァンニの問いに答えた。....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
間を売るというのは人道問題だ、利害関係は別として、こりゃ人道問題だぜ。ソラ、医は
仁術なりだろう、苟《いやし》くも
仁術を看板として、人道問題を耳にしながら、それを....
「巴里のむす子へ」より 著者:岡本かの子
ところに在る。斯るときに於てはじめて芸術は人類に必需で、自他共に恵沢を与えられる
仁術となる。一時の人気や枝葉の美に戸惑ってはいけない。いっそやるなら、ここまで踏....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
書きしるすことの光栄に感奮し、筆も折れよと握りしめて、そして書いた。 この町に
仁術を施す騎士住みたりき 町民のために足の医者たるの小さき生涯を全うせんとして....
「花咲ける石」より 著者:坂口安吾
から、相手の強さが身にしみて分るのである。しかも学識深く、オランダの医学に通じて
仁術をほどこし、人格は神の如くに高潔であった。ただ時々行方不明になる。そのとき彼....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
趣味なのだ。 後に私が病気した時、どんなに我を忘れて世話してくれたろう。医者は
仁術というが、恭一君のはぴったりそれであった。 その癖私を見舞うと、 「当分は....
「或る部落の五つの話」より 著者:佐左木俊郎
く腹を病み、とうとうその明け方に死んだ。 五 薬を売る神 「――医業は
仁術なり、――と言うが、被告はそれをどう心得ているのだ?」 裁判官は錆のある声....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
人、貧乏人のためには薬代も取らぬというほどに貧窮者に対して同情のあった人で、医は
仁術なりという言葉をそのまま実行されたような珍しい人でありました。気性が高潔であ....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
諸君に対する健康の保証であるべきだと、私は信ずるものであります。 爾来、医者は
仁術と言われておりまして、社会民衆のために努力するのが、その使命でありますにかか....
「人間性の深奥に立って」より 著者:小川未明
現在の小学校の先生方が皆かくの如き人格者のみであるとは思わない。丁度医者が昔から
仁術であると云われていながら、その大抵は金とり主義になっているように、小学校教師....
「貧乏線に終始して」より 著者:小川未明
そのことについては、他日、その機を得て感謝する時があろうと思います。 医者は、
仁術であるべきであるが、独り、このことを医者だけに求めるべきものでない。そんなら....