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仄明るい
「仄明るい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仄明るいの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「火葬国風景」より 著者:海野十三
いるという感じであった。これらはすべて、暗黒の中で取行われたが、そのうちにまた、
仄明るい光りが差した。それはどうやら太陽の光りではなく、電灯の光りのようであった....
「C先生への手紙」より 著者:宮本百合子
刻とその陰影を深めて参ります。そして、宛然《まるで》蹲る大獣のように物凄い黒色が
仄明るい空を画ると、漸々その極度の暗黒を破って、生みたての卵黄のように、円らかに....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
けたら、落付きました。こんなのごくたまです。然し頭がひどく疲れていると、真暗より
仄明るい方が安らかというのは可笑しいものですね、神経にのこされている緊張と光線の....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
。廻廊伝いにそっちへ行った。雨戸がピッタリ締まっていた。その雨戸をそっと開けた。
仄明るい十畳の部屋があった。隣り部屋から漏れる燈が部屋を明るくしているのであった....
「茶粥の記」より 著者:矢田津世子
い小鳥の声がしていた。居ながらに山の望める静かな部屋だった。山は薄闇の裾をひいて
仄明るい頂きに纔か雪のかつぎをつけていた。子供を呼ぶ母親の声が遠くのほうから聞え....
「八寒道中」より 著者:吉川英治
からない……」 外の板の間は氷のようだが、障子の内は、炬燵の火と酒のにおいに、
仄明るい朱骨の丸行燈の灯が照って、そこにいるお稲の身のうごきにも春の晩のような温....