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「今か今か〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

今か今かの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
おぎん」より 著者:芥川竜之介
傷《いたま》しさの余り、誰も息を呑んだのではない。見物はたいてい火のかかるのを、今か今かと待っていたのである。役人はまた処刑《しょけい》の手間どるのに、すっかり....
」より 著者:芥川竜之介
午《ひる》へ、午から夕《ゆうべ》へ日影が移るのも忘れたように、竜王が姿を現すのを今か今かと待って居りました。 「すると恵印《えいん》がそこへ来てから、やがて半日....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
う具合でその翌日になると、益々新蔵は気が気でなくなって、泰さんの電話がかかるのを今か今かと待っていましたが、ようやく昨日と同じ刻限《こくげん》になって、約束通り....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いので、二人は堤の下を根《こん》よく往きつ戻りつして、かの女のあらわれて来るのを今か今かと待ちうけていた。 宵を過ぎると、柳原の通りにも往来の人影はだんだん薄....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
ぎ高だ。毎日夕がたになると、家族は囲炉裡を取りまいて、吉弥の口のかかって来るのを今か今かと待っている。 やがて吉弥はのッそり帰って来た。 「何をぐずぐずしてお....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
めかけて、お線香を供えるのもあり、お賽銭をあげるのもあり、いずれも念仏合掌して、今か今かと待ち受けていましたが、どういうわけか、今夜に限って地蔵さまは身動きもし....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
らい顔を撫でられても驚くのではありません。わたくしは息をつめて、その人の来るのを今か今かと待設けていました。 振返ってみますと、奥様の御居間の方には行燈の灯が....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
所へまた引っ返して来ると、台所の者はいよいよ心配して、かの半兵衛が帰って来るのを今か今かと首をのばして待っているうちに、時刻はだんだん過ぎてゆく。奥では焦れて催....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
い。そのくせ、内部で鳴っている音が、戸外にいる彼等にも判然と聴き取れるので……、今か今かと待つうちにも、よほどの時間が経過してしまった。 「ただごっちゃないぞ。....
もくねじ」より 著者:海野十三
一掴みポケットの中に入れた。その中にはぼくも交っていた。 ぼくは、番の来るのを今か今かと待っていた。 そのうちに太い温い指が、ぼくの胴中をぎゅっと摘んだ。い....
火薬船」より 著者:海野十三
薬船ノーマ号へもどってきたのであった。 船では、怪人ポーニンが、彼のかえりを、今か今かと待ちかねていた。 「おお、ノルマン。遅かったじゃないか」 船長ノルマ....
大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
して、無電をうってくるのであった。 辻中佐は、斥候隊から、いい報告が入るのを、今か今かとまちうけていた。しかし彼らが出発してからもう一時間にもなるのに、何のい....
軍用鼠」より 著者:海野十三
なければならない。彼はレッド老人が峠の向うから鼠の籠をぶら下げて姿を現わすのを、今か今かと窓の傍に待ちうけた。 その日の暮れ方、税関の門がもう閉まろうという前....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
かねてたくんで置いた通り、アグニの神が乗り移ったように、見せかける時の近づくのを今か今かと待っていました。 婆さんは呪文を唱えてしまうと、今度は妙子をめぐりな....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
要の記録である。 勿論、団十郎も菊五郎も突然に死んだのではない。三、四年前から今か今かとひそかに危ぶまれていたのであった。団十郎は三十三年の歌舞伎座三月興行に....